西岩部屋おかみさんブログ

大相撲西岩部屋の備忘録として利用しています。【公式twitter】https://twitter.com/nishiiwabeyaです。

2021/10/26 さつまいもコロッケ作り

今日の東京は、青空高く澄み渡り良いお天気でした。

久しぶりに、夜のちゃんこ作りを覗きます。
西岩部屋の大部屋には現在、扇風機とストーブが混在していますが、今日はどちらも出番はありません。
若大根原、八女の里、透輝の里、若田中の4人は、せっせと、さつまいもコロッケ作りを始めています。







箸が転んでもおかしい年頃とはこのことで、キャッキャ、キャッキャと透輝の里と若田中が戯れ合っています。
何がそんなに面白いのかと会話を聞いてみると、最後少し余ったコロッケのタネで、大きいコロッケを一つ作るか、二つに分けて小さいコロッケを二つ作るかどうするかで、「二つに分けたらこんなに小さくなってしまう」と見せながら笑っています。それを見て、八女の里と若大根原もニコニコと笑います。
コロッケ一つでこんなに笑えるなんて。
若いって素晴らしいなと輝かしく思えました。

大判型に形を作り、小麦粉、溶き卵、パン粉と、流れ作業でコロッケを作る手は止まることなく、短時間で手際良くササッと下準備が終わりました。
いつの間にこんなに成長したんだろう、と本当に驚きました。







こちらは本日のちゃんこ番さん達です。
若藤岡


若箭原


若金子


これからちゃんこを作ろうというときに居ない若藤岡。
用事で屋上へ行っていました。
「もう皆んなちゃんこ番始めてるよ!早くやろう!」と言おうとしましたが、屋上から戻り、すぐに水道へ行き、30秒しっかりと石鹸で手洗いしている様子を見て、注意するよりもその姿に感心しました。東京都の新規感染者数は減ってまいりましたが、皆んなこうして、当初からずっと変わらず、しっかりと感染予防対策をしていることが改めて分かり、安心した瞬間でした。





前触れなく訪れたにも関わらず、玄関の履き物は全て仕舞われていて、大部屋に入りましても、私物が転がっていることもなく、ゴミ一つ落ちていません。
普段からそうする事、と決めているのはこちら側なのですが、本当にそうである光景を目の当たりに致しますと、毎日厳しい環境でよく頑張っているな、と一気に喉の奥が痛くなり涙が込み上げてまいります。

"息抜きできているのだろうか"

年頃の男の子たちです。
稽古さえ一生懸命すれば、あとはロッカーがぐちゃぐちゃでも、漫画や洗濯物が散らばっていても、「そんなの、いいよ、いいよ」と言ってあげることが優しさなのでは?と、心が揺れることもありますが、「教育」が一番の愛情だと信念を持って接しています。
お相撲さんたちを社会に送り出すまで、集団生活を通して「子育て」すること。
親方の考えの元、そう徹してはいるのですが、4歳の娘のお世話が中心の「育児」と、お相撲さんたちの頭と心を育てる「子育て」は、また全然違い、可愛いからどうするかが分からなくなる時があります。
一人一人の性格、年齢によって、多少接し方は変わりますが、だらしないことを許す、甘やかす、は優しさではないということを自分の心の中で整理して、生活が緩んできたときには、手綱を締めます。

何でも、慣れてしまえば「自分たちの普通」の基準値は上がります。
皆んながよく頑張ってきたから、西岩部屋は出来た頃より今の方が大部屋が整理整頓されていて綺麗です。



先程、ゴミ一つ落ちていなかったと書きましたが、今日はもう一つ素晴らしい場面に出会いました。

車で、大型スーパーに買い出しに行っていた親方と私が部屋に着く頃、八女の里と若大根原が荷物を運ぶために、お手伝いに来てくれました。
その際、親方が車から降りて歩いてくる前方に、紙くずが落ちていることに、八女の里がすぐに気付き、その八女の里が気付いた仕草を見て、若大根原がサッと紙くずを拾い、ポケットに入れ、何事も無かったように、親方がトランクから出す荷物を受け取り、ちゃんこ場へと運んでくれました。
八女の里はよく周りを見ています。
若大根原は機敏です。


みんな、
日々お疲れ様です。
日々ありがとう。



今秋は、美味しいさつまいもを箱いっぱいにいただきました。
天ぷらにしたり、煮物にしたり、ちゃんこにたくさん登場しています。
先日は、大学芋にして、三階の和室で皆んなで夜食としていただきました。




時代はどんどん進化し、個々の自由が尊重され、常識も変化しています。
移りゆく中で、その時代の風に乗りながら、先人たちが築き上げてきたもの、歴史を忘れずに、相撲部屋の厳かな雰囲気を遺していけたらと思います。