鬢付け油の香りが桜風に漂う春の午後。額を汗でキラキラと輝かせ、取組を終えた若松永が国技館から帰って参りました。お帰りなさい。西序二段27枚目今日の相撲で5勝目を挙げました。3年前、松永輝透（まつながきずく）くんは15歳、相撲は全くの未経験。親方…

春場所3日目。昼間は5月並みの気温で、夜でも風がまだ生暖かく、窓を開けていましても稽古場は熱気に包まれていました。場所中でも、親方は毎晩土俵におります。力士たちは夜のちゃんこを食べ終わりますと、早々に片付けを済ませ、こうして夜9時過ぎまでたっ…

3月14日 時計の針が消灯時刻の9時半を指しました。この日のちゃんこ番班長の若田中が、「今日も異常ありません」と、報告書、ちゃんこ銭、レシート等を持って、一日の最後の報告に上がってくる時間です。チャイムが鳴り、扉が開きますと、そこには正装した皆…

3月12日力士たちの消灯後、親方は今日一日の書類の確認などの庶務を済ませ、自宅のキッチンに立ちました。鶏の胸肉を挽いてハンバーグにし、フライパンで焼き目をつけ、大きなお鍋に移して煮込みます。『煮込みつくねハンバーグ』です。夜な夜な甘酸っぱい香…

快晴の浅草。ひとたび、「今のは、、、」と説き出しますと、土俵の外にいる力士たちの動きが止まります。すぐさま親方の手振りに真剣な眼差しが集まります。皆が同じ師匠から同じ時間に同じ量の手ほどきを受けます。そこで自分はどれだけ吸収し、どれだけ努…

西岩部屋の一番末っ子の若箭原が16歳になりました。若箭原は人としてとても大切なことを入門前からもう既に持ち合わせています。それは「和」です。一年間若箭原を見てまいりまして、どうしても訊いてみたいことがありましたので、先日声を掛けました。「お…

音も無くしとしとと。外は花を喜ばせる春の雨です。東京の春場所が近づいてまいりました事を、蔵前神社の満開のミモザと河津桜が知らせてくれています。先日、初めて髷を結ったばかりのお相撲さんたちは、まだ髪が短いため、激しい稽古で髪がすぐにぱらりと…

3月4日春の足音が聞こえてくるような、やわらかい風と日差しが暖かい朝。朝稽古が終わり、お風呂で汗を流し、いつものように兄弟子たちは床山さんに髪を整えていただきます。そして遂に、昨年の3月入門の4名も、本日午後、初めて丁髷を結っていただきました…

3月3日 東京の朝9時の気温は6度。冷たく強い風が音を立てて吹いています。空気が入れ替わるように空は水色に晴れ渡り、雲ひとつない快晴です。今日も皆、元気に汗を流しました。その時、その時、今一番大事だと思うことに全力を注いでください。 西岩部屋 公…

3月1日この日のちゃんこ番さんは、班長若藤岡、若金子、若大根原の3名です。前日に親方がお相撲さんたちに伝えた夜の献立の中に「辛味チキン」がありますことを確認しました。揚げものをするなら、とこの機会に「中華えびせんべい」も一緒に揚げてもらうこと…

月に2、3度、皆んなで自宅階の和室に集まり、親方の話を聞いたり、平成時代の相撲のDVDを観たり、時には今学校で議論されている様々なこと、例えば最近であれば「あだ名」について皆んなはどう思うか、西岩部屋はどうするか、など話し合い、最後皆んなでおや…