西岩部屋おかみさんブログ

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2021/03/26 お帰りなさい

鬢付け油の香りが桜風に漂う春の午後。
額を汗でキラキラと輝かせ、取組を終えた若松永が国技館から帰って参りました。

お帰りなさい。
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西序二段27枚目
今日の相撲で5勝目を挙げました。


3年前、松永輝透(まつながきずく)くんは15歳、相撲は全くの未経験。
親方から教わった相撲のみでここまで来ました。



"親方の前で白星を挙げられてよかったです"
今日の若松永の言葉です。



本日、序二段の後半、ちょうど若松永の取組の際、親方は正面にて審判長を務めていました。この上ない特等席です。



いろんな事があった3年。
振り返りますとそれは若松永の相撲と同じでした。心配な瞬間もありましたが、たとえ後ろを向いてもまたクルッと自分の力で向き直し、正しく猛進する力を常に持っていました。

素直な性格で皆に愛され、価値ある3年間を過ごし、今場所自分で桜を咲かせました。
地元大阪では、この春、中学時代の同級生たちが高校の卒業式を迎えています。
友達の多い若松永が、あの時、何度も何度も学校へ押し掛けた親方の口説きに折れ、皆と別々の道を選び、「相撲」に出会ったことで、大きく人生が変わりました。

今、幸せだと思っていて欲しいです。



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場所前も場所中も、夜の自由時間には欠かさず土俵に降りました。
はっきり言って、性格的にはトレーニングは嫌いなはずです。やりたくないはずです。
でも若松永は負けることの方がもっと嫌だったのでしょう。
その気持ちが溢れ出ていた場所でした。

お疲れ様でした!