西岩部屋おかみさんブログ

大相撲西岩部屋の備忘録として利用しています。【公式twitter】https://twitter.com/nishiiwabeyaです。

2021/08/08 46歳

8月8日
私事で恐縮ですが、皆にお誕生日をお祝いしていただきました。
こんな時なのに、本当に有難いです。




雨が止み、気温も上がり蒸し暑い中、皆、浴衣に着替えて上がってきてくれました。
いつか親方が教えたその心掛けをずっと続けてくれています。
家族同様と言いながら、堅いことを強いているようで恐縮してしまう思いもありますが、相撲部屋の中は社会の縮図です。
集団生活を通して、礼儀や社会の常識身につけていきます。


「礼儀」とは、相手への敬意の気持ちや感謝を、心と形を一体として表すこと。
また「礼儀」というものは、教わっていなければ、突然の場面で実行できません。
知らないまま大人になり外へ出れば、目の前の誰かに不愉快な思いをさせてしまったとしても、一体自分の言動の何が悪いのか分からないと必ず悩む日が来ます。
『知らないことは覚えよう。』
いつも前向きにその姿勢を持っていてください。


今日も礼を尽くしてくれてどうもありがとう!
こちらも、もっともっと支えていけますよう、一生懸命頑張ります。



リボンをかけてラッピングされた包みを解きますと、中から可愛い髪飾りが。
まだ皆んなはどこに行けばこういう物が売っているかも知らないと思っていましたので、とても驚きました。
そして淡いピンクという穏やかで優しい色を選んでくれましたことに、グッとくるものがありました。
穏やかで優しい、、、。
"ああ、今日は冷蔵の宅配便は受け取ったらすぐに冷蔵庫に入れてくださいと注意したばかり、、、。"
注意の仕方、言い方に傷ついている子はいないだろうか。みんなの前で言うよりも、一人だけ呼んだ方がよかっただろうか。
またいろいろ考える切っ掛けになった可愛い髪飾りでした。





こちらは、呼出し正男、弘行、行司木村一馬、床山床明の4名からです。
末広がりにパッと開きますとふんわりとお香の香りが漂います。親骨には名入れされており、なんとも粋なプレゼントです。親方も、「正男と弘行は呼出しだからね、良いものを知ってるね。」と唸るほどでした。
今年は転籍により、弘行、正男、一馬、床明とのご縁を頂きました記念すべき年です。
出逢いの記念に、一生物として大切に使わせていただきます。





おかみさんとは何か。
部屋ができてまだ3年半。今の自分が思いますのは、おかみさんは、職業でもなければ当然役職でもなく、何者でもないということ。
強いていうならば、師匠の奥さん、役割りは子どもたちについての「親方の話し相手」だと感じています。
この子のこういうところがしっかりしてきた。入門時からの成長を喜び合うことが、明日への活力となっています。



我が家には幼稚園の年中になる娘が一人いますが、今一番思いますことは、お預かりしていますお相撲さんたちにも同じようにこの4歳の頃があったということ。
4歳は急激に体を動かす遊びに夢中になる頃です。ブランコの立ち漕ぎが出来るようになったり、鉄棒で前回りをしたり。テレビから歌が流れればダンスを踊ったり。
この子は運動が好きなのかも知れない。親としてそう分かり始めてきて、ワクワクする瞬間がたくさんあります。

10年後、力士になることを想像していた家庭は少ないと思いますが、皆んなの親御様も、「運動が得意なら伸ばしてあげたい。」
楽しそうに体を動かして遊ぶ幼き我が子に、「将来何になるのかな」と無限の可能性を夢見て、親としてたくさんの喜びを感じてこられたのだとしみじみ思う日々です。

4歳、5歳、6歳、、、と成長していき、15歳で相撲部屋に預ける。
それはどんなに寂しいことか。自分が15歳の息子の親だとしたらと目の前にいる娘を通して考えましたら、手放したくない想いもあり、胸が張り裂けそうになります。

一人一人の入門時を振り返ります。
そこには、お父様の「自分の道を行け」という信じてくれる愛があり、お母様の「だめなら戻ってきてもいいから」という優しさと心配の涙があります。
だからこそ、お相撲さんたちの成長を、コロナで止めてはいけないと責任を感じています。
彼らの今は今しかないですし、答えが出なくても協会のガイドラインに沿って安全を考え、慎重にかつ積極的に毎日を進めています。

どんな時でも歩みを止めない皆んなの姿をこれからも発信していきます。



名古屋場所前に親方に撮ってもらった写真です。撮影時のみマスクを外して撮りました。)



これからもよろしくお願いいたします。