12月23日 土俵築き
作業は早朝より始まります。
稽古場から威勢の良い掛け声が聞こえてまいります。
土俵築きは、この呼出しさんたちの活気が、土俵の土の中の中までぎっしりと力を与えてくれるような気持ちになります。
日差しが降り注いでいますが、風が冷たい一日でした。
頭にタオルを巻き、悴む手で俵を編む呼出し弘行と正男。土俵作りは全て手作業です。熟練の職人技が光ります。
親方からのホットコーヒーの差し入れで、しばし休憩です。
呼出しさんたちが、丁寧に作り直してくださった綺麗な土俵。一同感謝の思いでいっぱいです。
この後、ちゃんこを囲んだ際には、部屋を代表して八女の里が立ち上がり、弘行、正男に大きな声でお礼の言葉を述べました。
12月24日 土俵祭り、番付発表
翌朝、整えられました土俵を、行司木村一馬が浄めます。
榊の揺れる音がなんとも心地よく、神聖です。
「榊(さかき)」という字は、木編に神様の神。
神様がいる場所にある木というのが、語源だそうです。
土俵中央に、スルメ、昆布、塩、米と縁起物を捧げます。
静寂に包まれた中で、一馬の祝詞のみが響きます。
土俵の安全が祈願されました。
明日からまた力一杯稽古ができます。
床明は、
9月30日、国技館で開かれました理事会で昇進が発表されました。
翌日の10月1日、親方が床明を三階の和室に呼び、ささやかではございますが、温かい昆布茶を淹れ、親方からお祝いの言葉がありました。
お茶を飲みながら、10年間を振り返ります。
毎日、お相撲さんたちのために、お相撲さんたちよりもはるかに早起きして部屋へ来てくれています。
12月24日の番付発表の朝、
親方が和室に全員を集めました。
「翔太、改めておめでとう」
親方が床山さんの昇進について、お相撲さんたちに易しく噛み砕いて説明します。
お祝いを手渡し、皆で大きな拍手を送ります。
行司さん、呼出しさん、床山さんは、世間の方々に『裏方』と呼ばれることがあるけれど、力士である自分たちがそういう思いではいけない、と親方はお相撲さんたちに話します。
行司さんは行司さん、
呼出しさんは呼出しさん、
力士は自分一人で力士になれると思ったら大間違い。そこを勘違いしないよう、毎日感謝の気持ちを忘れずに。
今まで何度も皆に伝えてまいりましたことです。
これからも、よろしくお願いいたします。
西岩部屋 公式ウェブサイト
浅草にある相撲部屋 西岩部屋のご紹介。両国国技館からは1.5キロ、浅草寺からは500メートルの所に位置し、浅草地区では唯一の相撲部屋です。
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