西岩部屋おかみさんブログ

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2021/05/23 令和3年5月場所千秋楽

投稿が遅くなりましたが、千秋楽の様子をお伝えいたします。



お陰様で、今場所も無事に千秋楽を迎えることが出来ました。ご尽力いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。


5月23日千秋楽
お昼の暑さも和らぎ、幾分涼しい風が吹きはじめた夕刻、テレビの大相撲中継では幕内前半から後半へと審判交代が告げられました。
幕内前半の審判を終えた親方が、花道を引き上げ、後の用事を済ませ、国技館を出て部屋に帰ってまいります。

その頃西岩部屋では、打ち上げの準備が進められていました。まだ日の入り前、外は西日がキラキラと輝いています。
ちゃんこ番3名はすき焼きの準備、手の空いている者は1階の倉庫から長テーブルを運び出し、手分けしてお皿やお箸を並べます。

そうこうしているうちに、親方の車が部屋に到着しました。力士たちはその音を耳で確かめ、機敏に浴衣を纏い帯を締め、身嗜みを整えます。
場所中、力士たちは国技館から親方が到着致しましたら、一人ずつ挨拶に上がってまいります。


全員の挨拶が済み、ちゃんこの準備も整いました。
「鍋通ります!」
大部屋に威勢の良い声が響きます。コンロに鍋をかけます時は、歪んでいないか、不安定な置き方になっていないか、しゃがんで目で見て必ず声を掛け合って確認します。
八女の里が「もう少し手前」と細かく指示を出していました。

牛肉も良い感じに火が通りました。
若田中が確認します。

最後に葉物野菜を入れます。
水菜を豪快に手でちぎる若金子。
兄弟子透輝の里が補助してくれています。


そら豆も塩茹でされました。八女の里が親方に冷えたビールを注ぎます。

乾杯の音頭は、新三段目の「若松永」改め「透輝の里(ときのさと)」です。
お相撲さんたちはお茶で乾杯です。


先ずは、勝ち越し賞の贈呈です。
若大根原
東序二段98枚目
成績は、4勝3敗です。

若金子
西序二段54枚目
成績は、4勝3敗です。

八女の里
東序二段9枚目
成績は、5勝2敗です。

透輝の里
東三段目90枚目
成績は、5勝2敗です。

そして、
透輝の里は、自己最高位での勝ち越しです。
勝ち越し賞、そして優秀賞も贈られました。


千秋楽打上げパーティーでは毎回この優秀賞につきまして、親方より説明があります。
"先場所負け越して番付を下げていて、今場所勝ち越すというのと、先場所勝ち越していて自己最高位で今場所も勝ち越すというのとはまた違う。番付を上げての勝ち越しは大きな価値がある。力がついたということ。"
よって、勝ち越し賞に加え、優秀賞が贈られます。
勿論これは親方のお財布からです。嬉しい悲鳴をあげながら、前夜に御祝儀袋を丁寧に用意していました。



「はい、全員もう一回手を洗って」
親方の指示で皆が手洗い場へ。
マスクを外し、フックに掛けて、手を洗い、ちゃんこをいただきます。












食後は、ケーキとレモンスカッシュです。


場所中に、安心して皮も食べられます国産のレモンをたくさん頂きましたので、蜂蜜漬けに致しました。

無糖の炭酸水で割って、甘さは各自調節し、レモンスカッシュの出来上がりです。



すき焼きの味付けがとても美味しかったです。
16歳の若金子が親方に味見をしてもらいながら頑張りました。
皆んな日々ちゃんこも上達しています。ご馳走様でした。






今場所より、西岩部屋の星取表は、行司の一馬が作成しています。
記念すべき最初の星取表。
場所前には、勝ち星がたくさん入ることを祈っています、との言葉を掛けてくれていました。



場所前の写真です。
4月1日付で一気に増えた木札

土俵築き後の土俵

土俵祭りで使用しました榊の先には、柔らかい新芽が見えます。鮮やかな黄緑色の新芽が、忘れかけていました季節を教えてくれます。

土俵祭りにより、土俵が清められました。


令和3年5月場所は、転籍により、
呼出しの弘行、正男
行司の木村一馬
床山の床明
以上4名が西岩部屋に加わり初めての場所でした。

呼出し、行司、床山、皆体調を崩すことなく、そして力士たちも大きな怪我をすることなく、無事に千秋楽を迎えましたことに安堵しております。

場所前、呼出し弘行、正男は、常盤山部屋の広さんとともに土俵築きに来てくれました。よみがえった土俵で力士たちはしっかりと稽古を積むことができました。
行司一馬は、田子ノ浦部屋隆男さんの補佐として土俵祭りを務めました。その他にも場所前のPCR検査のキットを協会から部屋まで届けてくれたり雨の中取組表を届けてくれたりしました。
床山床明はまだ早い時間に取組がある西岩部屋の力士たちのために場所中毎朝5時半に家を出て部屋に来てくれました。西岩部屋の力士たちの丁髷を結ったあと、国技館へ向かい夕方まで勤務です。
行司さん、呼出しさん、床山さんが居てくださることの有り難みを心より感じています。

4名とも皆、部屋には住んでいません。転籍を機に一人暮らしを始めたり、実家に戻ったり、元々もう部屋を出ていたりと様々なのですが、コロナ禍に加え、生活環境、生活リズムも変化して、今場所は体調管理の面で本当に大変だったことと思います。

本来であれば、一緒に千秋楽の打ち上げを楽しみたかったのですが、このような時期ですので、無理に集まらずそれぞれ自宅でゆっくりしていただこうと親方が判断し、打ち上げは部屋の者だけでささやかに行いました。

ワクチンが進み、一日も早くコロナが終息しますように。そして千秋楽には西岩部屋11名全員が揃ってお客様をお迎えし、近い将来また以前のように打ち上げパーティーで盛り上がれます日が必ず来ると信じて。
その時を楽しみにしています。

15日間ありがとうございました。