西岩部屋おかみさんブログ

大相撲西岩部屋の備忘録として利用しています。【公式twitter】https://twitter.com/nishiiwabeyaです。

2023/01/01 元旦式

謹賀新年
日本晴れの元日の朝です。

旧年中はたくさんの応援を賜りまして誠にありがとうございます。心より御礼申し上げます。
本年も皆様に元気をお届けできますよう、西岩部屋一同、精進して参ります。




クリスマスから元旦にかけ、真冬に咲く花「啓翁桜」の蕾が次々と開きました。
元旦の朝は、師匠への新年の挨拶から始まります。


八女の里 
「新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。」

師匠からは、お年玉が手渡されます。

透輝の里

若新

若田中

若大根原
元旦に袖を通しましたのは、新調した綺麗な色の着物です。

若箭原
畳に両手の拳をついて挨拶をしますが、まだ片手しかつけません。
親方が「無理はするな。」と気遣います。

若金子
本場所の土俵で大怪我をしてからここまで長い道のりでした。
初場所は完全復帰の場所になる。」
真剣な眼差しで親方の言葉に耳を傾けます。

里田中と若清は、入門して初めて、相撲部屋でお正月を迎えます。

挨拶の仕方から学びます。
畳に膝をつき、

正座をして、

拳をついて、頭を低く下げます。
「新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。」

お年玉を両手で受け取ります。

若清も同じように、新年の挨拶をいたします。
緊張しながらも大きく伸びやかな声で。
「新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。」



弘行、正男、一馬も同じように。
パリッとしたスーツに身を包み、朝から部屋に来てくれました。
弘行、正男の奥様からは、温かいお心遣いも賜りまして恐縮に存じます。




新しい年を迎え、ウェブサイトの個人写真も一新いたしました。


透輝の里 大 

若田中 優霧

里田中 駿穏

福岡県八女郡広川町出身
八女の里 晃

東京都練馬区出身
若大根原 瑞規

若新 耕司

宮崎県宮崎市出身
若清 柚翔

若金子 響

若箭原 祐太

呼出し: 弘行

呼出し: 正男

行司: 木村一馬


そうこうしておりますうちに、お昼になりました。
場所を大部屋へと移し、お節料理をいただきます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑みて、食事はそれぞれの家庭でとの判断に至りました。
一馬には親方がお土産にとお節の詰め合わせを拵えました。
来年のお正月はワイワイと楽しく全員で過ごすことに躊躇のない世の中になっていますよう祈るばかりです。


お屠蘇は味醂のアルコールを飛ばしたもので。


ふっくらとした丹波篠山の黒豆に、真っ赤な酢蛸。数の子はお相撲さんたちが優しく丁寧に筋を取ってくれました。
関西では馴染みのない酢蛸ですが、関東や東北ではお節料理の定番なのですね。


宇和島の河内屋蒲鉾。
しっかりとした弾力で食べ応えがあり、とても美味しいです。
お寿司は一人一桶です。



ここからはお相撲さんたちが頑張ってくれました。

柿なます
皆で手分けして大根と人参を細く切ってくれました。たくさん作りすぎて置き場所がなく、、、。そんな時はボウルに新聞紙で蓋をしてベランダに出します。自然の冷蔵庫です。
仕上げに、干し柿で甘味を加えます。

味付けは八女の里。
しっかり味が決まるようになりました。

すき焼き
西岩部屋ではおめでたい日は必ずすき焼きです。

どれもこれもとても美味しく出来上がりました。大晦日から一生懸命ありがとう。


お雑煮は三階で。
鶏と牛蒡で出汁を取り、柚と三つ葉を添えます。
隠れてしまっていますが、お餅は新潟より毎年贈られる縁起物です。有難うございます。

京都キタバのすぐき。
京都を代表するお漬物。冬の味です。
歳を重ねるにつれて年々とても美味しく感じる大人のお漬物です。

青森の「豊盃」
東京にあります青森のアンテナショップでは、いつも「おひとり様一本まで」と購入制限がありますほど人気のお酒です。
親方の幼馴染の酒蔵で丹精込めてつくられています。




お相撲さんのご実家からも良いお酒がたくさん届き、親方もこの日ばかりは、顔を赤らめながら楽しく美味しくいただきます。


祝い箸には一家の長であります親方が、大晦日に皆の四股名を書き入れ、神棚に供えておきます。




すき焼きの仕上げです。
水菜は豪快に手で捻り切ります。




乾杯の前に、記念撮影です。



それでは乾杯です。
乾杯の音頭は、今年は怪我で入退院を繰り返し大きな山を越えました若箭原です。



八女の里は22歳、
透輝の里と若新は20歳となり、一月に成人式を迎えます。

同期三人、揃って日本酒をいただく、おめでたい瞬間です。

どんな味?
大丈夫かな?

二人が戸惑う中、「飲みやすいです。」とゴクゴク飲んでしまう透輝の里。


その感想を聞いて、大笑いする17歳の若田中。手にはお茶のペットボトルです。

2杯目。
大丈夫かな?お酒はここまでにいたしましょう。


式の中盤、令和5年度の抱負を一人ずつ述べました。


八女の里
もっと兄弟子として弟弟子たちにいろんなことを教え、自分自身もいろんなことに挑戦していく一年にしたいと思います。
相撲は、一番も負けないつもりで、今年中に幕下に上がりたいと思います。

透輝の里
2023年は新しいことにどんどん挑戦して、健康に笑顔で過ごせるように頑張ります。
経験したことを活かせる一年にしたいと思います。

若新
健康な体づくりを意識して、今年は勝ち越しを多くしたいです。

若大根原
新年を迎えましたので、去年の自分より成長できるように、今できることを一生懸命頑張っていきたいです。
怪我せず良い結果を残したいと思います。

若田中
今年もたくさん勝ち越し、より良い番付を目指して頑張ります。
自己最高位で、本場所では緊張して自分の相撲が取れないことがあったので、自分の相撲が取れるようにしたいです。
今年の目標は、必ず三段目に上がることです。

若金子
昨年は怪我をして悔しい思いをしました。
相撲では怪我のない体をつくりあげて、今年中には三段目に昇進できるよう頑張ります。私生活では親方、おかみさん、兄弟子の言葉をしっかり理解して、弟弟子のお手本となれるように頑張ります。

若箭原
昨年は2回勝ち越したので今年は怪我を治し、勝ち越しを増やして、3回は勝ち越したいと思います。
番付を上げて、心も体も強く丈夫に鍛え上げ、人としても力士としても成長できる一年にします。

若清
勝ち越すことができなかったので、今年は勝ち越したいです。
濃い一年にしたいと思います。

里田中
今年は次の場所が自己最高位なので、怖さや不安がありますが、全力で相撲をとり、怪我をせずに過ごせたらいいなと思います。今年も一生懸命稽古に励んで強くなれるように頑張ります。





デザートは、八女の里のご実家より元旦の朝に届きましたクレープです。


皆んな帯が苦しくなるほど、お腹いっぱい美味しいお節料理をいただきました。
ご馳走様でした。
最後に親方が、
「こんなに、美味しいものをたくさん差し入れてくれる世界はない。普通ではあり得ない。本当に有難いことなんだよ。感謝していただいて、相撲を頑張ることこそが恩返しになる。」そういった事を改めて皆に話しました。


令和4年、皆の目標が達成できますように。
日々精進してまいります。