8月26日
朝稽古の様子です。
親方の指導に真っ直ぐ体を向けます。何が何でも強くなりたいという鬼気迫る形相は、15歳とは思えないものでした。
「厳しくても西岩部屋で頑張りたいです」
入門前に、若金子が大きな声でそう宣言した日のことを私は今でもはっきりと憶えていますし、これからも忘れることはないでしょう。
入門してすぐの頃、大阪場所で掃除のやり直しを言い伝えたことがあります。若金子が担当した廊下には、玉ねぎの皮やゴミがまだ残っていました。
入門したばかりですし、まだ15歳ですので、悪気などは全くなかったと思います。
掃除の意味を説明しました。使わせていただいている場所だということ。場所を提供してくださる方々のお陰で相撲がとれるということ。
毎日綺麗に掃除をすることは最低限の礼儀。感謝の気持ちをもって生活しましょう。
若金子は、意味をすんなりと理解し、「相撲以外のこと、生活面もしっかり頑張ります。」と明るい声で言い、とても綺麗に掃除をするようになりました。
先日、東京の部屋の、皆んなが使う洗面所に置いてありますハンドソープのボトルが、もう長く使い続けたため全体的に黒ずんでいることに気がつきました。数日後、新しいボトルを用意し、古いボトルは捨てようとしました際、あれ?と驚きました。手垢などで黒ずんでいたはずのボトルが、綺麗に磨かれていたのです。
誰かがスポンジで綺麗にしてくれたのかなと訊きますと、そっと若金子が手を挙げました。
何もお願いしていませんのに、ここまで磨いてくれてありがとう。
部屋の物を大事に扱ってくれて、とても嬉しかったです。まだまだ使いましょう。
相撲も、部屋のことも、どちらもしっかり頑張っています。
親方の言葉、指導を、どんどん吸収しています。
素直な子は伸びる。この言葉は本当だと思います。
心身共に、すくすく成長しています。