浴衣のたもとがほつれてしまった新弟子の若大根原と若田中。お裁縫に励みました。
親方に訊きますと、入門し最初の頃は着慣れない浴衣の加減が掴めず、たもとが裂けてしまうことがよくあるようです。
裂けてしまった箇所があるお相撲さんたちは、汗がついた浴衣をお手入れに出す際、そのまま出さずにきちんと縫うこと。
それはお手入れしてくださる方に、
そして浴衣を仕立ててくださった方に、
礼を尽くす。これも勉強です。
どこがどのくらい裂けてしまったか新弟子のお相撲さんたちが見せに来てくれます。難しいものはこちらで預かるか、お修理に出します。
今回は、5センチほどのほつれでしたので、自らの手で縫ってみることになりました。若大根原も、若田中も、近くのお店で自分専用の小さな裁縫道具を購入しました。
さあ、頑張ってみましょう。
若大根原
細かくなみ縫いをして最後の部分は、たもとの口のところを何重か目立たぬような長さでかがり縫いをして、裂けにくく補強しました。
上手に縫えていました。
ほっとしたような笑みを浮かべていました。
いつも礼儀正しく、何でも誠実に丁寧に取り組んでいる姿がとても印象的です。人に対しての言葉遣いなどもそうですが、物に対しても持ち上げ方、置き方、何を取りましても一つ一つの所作が丁寧なところに感心いたします。
勿論、自身の持ち物は常にすっきりと整理整頓されています。
若田中
本返し縫いがとても綺麗にできていましたので驚きました。手先の器用さを発揮です。
因みに、この日のコーディネートは「ONE PIECE」
ルフィのTシャツとチョッパーのハーフパンツで合わせています。
欲しくて浅草ROXにまで買いに行ったというお話を聞かせてくれました。
「へー！田中くん、ONE PIECE好きなんだ。私は全然詳しくないんだけどチョッパーの映画とか感動するね。」
それなのに、わざわざ調べて買いに行く。
それなのに、わざわざ上下合わせる。
若田中の不思議なこだわりに、大笑いしてしまいます。いつもは厳しい空気をあえて流している自分がいますので、ふとお相撲さんの前で声を出して笑ってしまうと、"あ、素が出てしまった。"と焦りもありつつ、一瞬肩の力が抜けて楽になります。
やはり部屋の中に笑いがあるというのは良いですね。特にこのコロナ禍、笑いはとても大きな癒しです。
厳しい空気、楽しい空気、皆んなで時と場面を弁えて、よい風を吹かせていきましょう。いつもありがとう。
