朝の雨も上がり、薄暑心地よい夕方5時。
親方が部屋の脇のポリバケツに気づきました。
「誰かが洗ったんだね。ほら、見て。」
水が切れるように、綺麗に工夫して置かれています。
すぐにわかりました。
若松永と若田中です。
二人は今日、外まわりの掃除担当です。
早朝、
期せずして二人のことを写真をカメラに収めていました。
小雨が降る肌寒い朝でしたので、外回りの掃除は今日は無しかな?そう徐ろに窓を開けますと、丁度そこには、もう掃除を終え、せっせとゴミ出しをする若松永と若田中の姿がありました。
雨を受け、小走りでゴミ出しをしてくれていました。
上からの写真で申し訳ないですが、
若田中が塵とりを受け取り、若松永がもう一つのゴミを出します。
この朝の光景を見ていましたので、"ああ、そうか"とすぐに解ったのです。
この日は火曜日。燃えるゴミの日です。
掃除は朝夕二回。
朝の掃除で、外回り担当の二人が掃除の後にゴミ出しをしてくれました。
燃えるゴミの日は、火曜と金曜です。
毎日ちゃんこ場ではたくさんのゴミが出ますので、ゴミの日まで水色のポリバケツの中にゴミ袋を溜めておくのです。
厳重に袋の口を結んでいましても、ゴミの汁がポリバケツの底にうっすら溜まってしまうことがあります。
数ヶ月前、「これから先、暑くなってくると、ゴミも臭いが出てきます。ポリバケツの底がもし汚れていたら、気付いた人が外のホースを使って、綺麗に濯いで干しておいてくれると有難いです。」
そう、一回だけ皆んなに伝えていました。
ポリバケツからゴミを出し、空になった際に底が見え、汚れに気付いた為、夕方の掃除の際に二人で洗ってくれたという流れが見えました。
夜、親方とともに、若田中に訊いてみました。
「ポリバケツ、洗ってくれたのね。ありがとう。汚れてたの?」
「はい、松永さんが"汚れてるから洗おう"ってやり方教えてくれて、、、一緒にやりました。」
若田中えらい!
そこで、「はい。洗いました。」だけでなく、その場に居ない若松永の名前をちゃんと出して、丁寧に説明してくれる事。
これはとても大切なこと。
教えてもらったこと、学んだこと、『お陰様』の意味を自然に理解し、謙虚な姿勢で物事を伝えることが15歳でもう出来ています。
若田中のお陰で、私も若松永に、「松永くんが気付いてくれたんだってね。田中くんから聞きました。ありがとう。」
そう言えました。
分からないままの皆んなの優しい気遣いや良い仕事が他にもきっとたくさんあります。
見えない部分にも、いつもありがとう。
今日も相撲部屋の生活を頑張りましょう。