5月10日
夜、お相撲さんたちが、自宅階に来てくれました。
若龍星が、「いつもありがとうございます。何も用意できなくてすみません。」と先陣を切り、申し訳なさそうな表情を浮かべます。
当然のことです。今は皆に外に出ないようにとこちらが固く強いているのです。部屋ではネット通販も許可しておりません。
それでも、皆んなで「言葉」を伝えに行こうと考えてくれたことに、胸が熱くなりました。
皆んな正装して上がってきてくれましたので、写真を撮りました。
ところが、
写真をご覧いただくと分かると思いますが、5月に入りましたがまだ皆んな着物を着ています。
世間一般では5月末日までは袷の着物が常識となっていますが、お相撲さんの世界では5月はもう浴衣です。
毎年5月場所は浴衣（関取は絽か紗の着物）で場所入りいたしますので、遅くとも場所初日を衣替えの切っ掛けとしますが、今年は5月場所が中止となり、ずっと部屋でTシャツ姿で生活していました為、衣替えのことをすっかり忘れてました。
お相撲さんたちは、正装しなくては！と思い、まだお手入れに出していない、正確にはお手入れに出しに行けない手元にある着物を纏い、上に上がってきたのでしょう。
時刻は夜の9時前。
西岩部屋では、汗などで濡れてない限り、着物はその都度本だたみして仕舞うようにと伝えています。
今日はこのためだけに着物を着てくれました。また大部屋に降りてすぐに脱ぎ、9時半の消灯時間までに皆んなで着物を仕舞う作業をするのだろうと想像しますと大変申し訳なく思います。
そしてその手間を惜しまずにそうしてくれた気持ちをとても愛おしく思います。
遅くなりましたが、今週のカラッと晴れた日、すぐにでも衣替えをしたいと思います。
こうしてまだまだ至らぬ点ばかりですが、皆んなのお陰様で「おかみさん」です。
毎日ありがとう。
新弟子4名、若大根原、若田中、若金子、若箭原は、親元を離れて初めての母の日です。
入門からもうすぐ3ヶ月。洗濯や掃除の大変さ。毎日美味しいご飯を作ってくれたことは、決して当たり前で簡単な作業ではなかったんだということ。
しみじみわかってくる頃だと思います。
こどもとしてそばにいることも親孝行。
自立して相撲部屋で頑張ることはもっと親孝行。
家族と離れる辛さより、新たな挑戦を選んだあなたたちを、お母さんは遠くからいつも応援してくれています。離れていても、毎年素直に感謝の気持ちを伝えてください。あなたたちは皆、お母さんから命という大きなプレゼントを先にいただいているのです。
親方が写真を撮ってくれました。
若龍星、八女の里、若松永、若藤岡、若鳥海、この5人が西岩部屋の基盤となってくれていてとても頼もしいです。若大根原、若田中、若金子、若箭原の初々しさも、西岩部屋に活気を与えてくれています。
以上、西岩部屋現在9名、毎日いろんなことがあります。親方と成長を見守りつつ、母親代わりとして、これからもこのブログを備忘録としてまいりたいと思います。
