遅くなりましたが、今日までを纏めて更新してまいります。
千秋楽のお昼、
若松永がひとりで親子丼を作りました。
親方は朝から審判で場所入り。
兄弟子たちも取組があり、ちゃんこ番は若松永ひとりです。
前日の夜に、しっかりと親方と打ち合わせをしてきちんとノートもとっていました。
私は宿舎に居ましたが、あえて横に付き添わず、「できました」の声を待つことにしました。
「できました」
まだ15歳の若松永の親子丼は、驚くほど美味しく出来上がりました。
玉葱の火の通り方、鶏肉の柔らかさ、そして男の子だとどうしてもなにを作っても味付けが少し濃い目になりがちなのですが、若松永の親子丼は、ご飯に混ざり合ったときのお出汁が味が丁度良く、初めて作ったとは思えない出来栄えでした。
食べることが大好きな若松永。
ご実家でも小さい頃から本当によく食べていたとお母様から伺いました。
若松永は前に、「お父さんは料理が上手で、お母さんのは味が美味しいんです。」と話してくれたことがあります。
いつも楽しく食卓を囲んでいたんだなと想像し、微笑ましく思いました。
相撲を取り終え帰ってくる兄弟子たちのために、心を込めてこの日も作ってくれました。
そして、作った後の片付けも手際よく済ませていたことにとても感心しました。
「おかみさんが少し味見をして、しっかりとできていると思ったらもういいよ」と親方には言われていましたが、親方の分も汁椀に一杯いただきました。
帰ってきた親方も一口食べて「おお!美味しいね」と。
親方は、若松永を部屋に呼び、笑顔で褒めていました。
相撲だけではなく、部屋での生活でもどんどん成長を見せてくれています。
「野口さんが教えてくれたからです」と、兄弟子を立てるところも若松永らしいなと思いました。
美味しいちゃんこで、これからも皆んなを笑顔にしてください。
ご馳走様でした。