西岩部屋おかみさんブログ

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先のブログで若中谷が夜、筋力トレーニングをしたことを書きました。

翌、中日8日目、
私は一旦浅草へ戻りましたが、その後の様子を親方に聞きました。



9日目の夜、
若中谷は、また、夜同じ時間に土俵へ行き、筋力トレーニングに励んでいたようです。独りでただ黙々と消灯時間までバーベルを挙げる若中谷。親方は離れた個室の窓から静かにその音を聞き、見守ります。

10日目の夜、
また土俵から音がしたため、親方が見に行きますと、
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一人増えました。若野口です。
親方があとで若中谷に訊き驚いたことがあります。
若中谷が土俵へ向かうと、もうそこには先に若野口の姿があったと言うのです。

11日目の夜、
連日筋力トレーニングをする際の注意点やアドバイスを親方が伝えます。
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12日目の朝、福岡国際センター
序二段の土俵に若野口が上がります。土俵下、向正面には審判として西岩も構えています。
若野口は際どい相撲で勝ち星を逃しました。
相手方力士に挙がる軍配。親方は唇を噛み、首を傾げるのみで、物言いの手が挙がることはありませんでした。若野口は4敗目を喫し、これが負け越し決定の一番となりました。6番とり終えて2勝4敗です。

昨日も一昨日も、自主トレを頑張っていたことを聞いていましたので、その頑張りが勝ち越しへ繋がればと祈っていましたが、現実はそうドラマのようにはいきませんでした。


その日の夜9時を回った頃、親方からまた写真が送られてきました。いつもより遅い時間です。

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どうやらこの日はちゃんこ番だったようで、片付けが遅くなったようです。
負け越しが決まっても、
ちゃんこの片付けが遅くなっても、
それでもまだ『あと一番ある』
若野口の集中力は全く切れていませんでした。


若中谷も若野口も、場所中にもかかわらず、連日の夜の自主トレです。このふたりの姿を見た親方は、「本場所で勝った時よりも嬉しかった。今は目先の勝利よりこの努力する姿勢が大事。」と電話で話していました。


12日目、
際どい相撲で勝ち星を逃したあと、「残り一番自分の力を出し切りたいです」と宣言した若野口。
翌13日目、
今場所最後の取組が組まれました。

若野口の今場所最後の取組の結果は黒星。
2勝5敗で九州場所を終えました。

相撲経験が全くないまま昨年7月に入門しました。来月18歳を迎えます。
まだ日の目を見ない努力の時こそが成長の瞬間です。いつかその努力は実ります。

7番とり終えた若野口の言葉は、しっかりと前を向いていました。
「これも1つの勉強だと思って次頑張ります。」





13日目は、若中谷も今場所最後の一番がありました。
3勝3敗、勝てば勝ち越し、負ければ負け越しです。





若中谷、勝ち越しです!!
おめでとうございます。
地元福岡での勝ち越しは格別だと思います。日々遠くから支えてくださっているお父様お母様へ、この上ない親孝行です。





こうして陰日向、
若佐竹、若野口、若中谷、若松永、若藤岡、若小菅、それぞれ自分が今やるべきことを考え、努力しています。
陰の努力も、見てくれている人は見てくれています。
何より、遠く離れた親御さんはいつも祈る想いで応援してくれています。
『元気にやっています』の印は、仲間と切磋琢磨して稽古を積み、陰で努力し、本場所の土俵で自分らしく輝くことです。




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千秋楽まで何卒よろしくお願い申し上げます。