12月2日 朝8時半
浅草も一気に冷え込みました。
落ち着いているコロナがまた増えるのではないかと心配しながら心せわしい歳の瀬ですが、西岩部屋はお陰様で皆元気に、思い思いの休暇を楽しんだようです。
仲見世の冬支度も始まりました。
紅白の繭玉飾りが頭を垂れ、青空を彩ります。
まだ人気のない通りに作業用のトラックがとまり、一つ二つとお正月飾りが設置されているところでした。
12月の下旬には門松、獅子舞、招き猫とさらに飾りも増え、賑やかな装いになります。
【九州場所 若藤岡編】
九州場所3日目、11月16日に19歳の誕生日を迎えました。(親方のブログでその日の様子をお伝えしています。)
控えめで、決して悪いことをしない若藤岡。
心優しい青年です。
例えば、ちゃんこ番の買い出しで、たまに食材を買い忘れることがありましても、人へのお礼などは忘れない子です。親方や私が何かをした次の日、顔を合わせますとすぐに、
「昨日はごっちゃんでした。」
この一言は絶対忘れません。とても律儀な子です。
お世話になっていること、道場の先生や周りの方々に支えていただいて自分があること、そういった謙虚な気持ちが人一倍強くあります。
11月24日九州場所11日目、取組で最後体勢を崩してしまった若藤岡に「怪我はなかったですか」とメールを送りました。
返事は自身のことではありませんでした。
お疲れさんでございます。
ごっちゃんです。
今日の取組で落ちた時に土俵の踏み俵の横のところを壊してしまいました。ご迷惑お掛けしてしまい申し訳ありません。
今日の取組で落ちた時に土俵の踏み俵の横のところを壊してしまいました。ご迷惑お掛けしてしまい申し訳ありません。
この言葉が先に出る子です。
親方が常日頃、呼出しさんたちがどれほど時間をかけ、汗を流し、神経を使い、土俵をつくってくださっているのかを話しますときもよく聞いていますし、土俵築きの際も間近で見ています。それで申し訳ないと思ったのでしょう。
土俵が土だったから、大きな怪我に繋がらなかったのだと思いますしよかったね、感謝ですね、という話をしましたら、謙虚に受け止めていました。
自分のことよりも人のことを心配したり、怪我よりも土俵を心配したり。いつも若藤岡は自分の心配は後回しです。
謙虚なままでいて欲しいですが、もっと皆様にも若藤岡の良さが伝わりますように。後ろからライトを当て、もっともっと若藤岡の魅力を引き出せますよう、これからも親方と頑張ってまいりたいと思います。