西岩部屋おかみさんブログ

大相撲西岩部屋の備忘録として利用しています。【公式twitter】https://twitter.com/nishiiwabeyaです。

名古屋の様子

7月10日、
親方の誕生日に合わせて、名古屋へ行ってまいりました。

浅草の西岩部屋を2日間空けることになります。
換気していた1階稽古場、2階大部屋の窓を閉め、車を走らせ、愛知県豊明市へ。

お世話になっております御邸宅に到着いたしました。

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強い日差しです。
もわっと立ちこめた草いきれを、時折、夏の風がびゅーっとかき消します。
土俵周りには鬢付け油の香りがほのかに香っています。

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事前に若野口が連絡をくれていました。
「親方の誕生日が7月10日なのですが、何をプレゼントすればいいか...」というものでした。

西岩部屋が始動して初めての親方の誕生日です。

名古屋に来る前、
あんなに怒ったこともあったのに。
あんなに用事ばかり言い付けたのに。
親方のことを想っているんだなと、申し訳ないほどに嬉しく思いました。

「場所中だから無理せずにね」
最終的に若野口からは「ありがとうございます。みんなで考えてみます。」と返事がきました。

宿舎に到着するやいなや、親方が居ないところで、みんなが弾むように口々に言います。
「今日、ケーキ取りに行くんです」
「予約してるんです」
「宿舎の横山さんがすごく協力してくれました」
「ケーキ冷やすのに親方が冷蔵庫開けたらどうしよう」
「親方があんまりちゃんこ場に来ないように、おかみさんよろしくお願いします」

いろいろと段取りをしてくれているようです。
みんなの団結力に驚きました。
宿舎の横山様ともすっかり仲良くなりいろんなことを頼っているようです。
私は嬉しくて頷くだけでした。



夕方までは普段通り過ごしました。
青森の親戚から『みず』という山菜が届きました。みんなで下処理します。
若小山は青森出身ですのでとても慣れた手つきでした。
きっと実家でもお手伝いをしているのでしょう。
若中谷と若藤岡と若小菅は親方の説明を聞き、じっと見て覚えます。

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作業中、幕内の取組を観ながら親方が相撲の話をします。
この日は取組結果について。

「"腰砕け"は、"決まり手"とは言わないんだよ、"取組結果"と言うのが正しい。行司さんはそういうのも使い分けてアナウンスしてるんだよ。」

西岩部屋は若い力士ばかりですので、まだまだ知らないことも多いです。
毎日の親方との会話から相撲の知識を得ます。

扉の向こうがちゃんこ場です。
今日のちゃんこ番は、若野口と若松永。
親方から指示されたちゃんこ、焼き魚、カレーライス、冷麺の他に、内緒の一品に挑戦しています。

若野口と若松永が一生懸命作ったオムライスです。
とても上手にできましたね。
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親方が涙を堪えているのがわかりました。




1976年7月10日、相撲大国青森県に生まれ、若貴フィーバーと云われる時代に、自分もこんなかっこいいお相撲さんになりたいと力士になることを夢見ました。平成4年、15歳で角界に飛び込み、同期は160名もいたそうです。39歳まで23年半、現役を全うしました。

そして今、たくさんの方々の支えの中、自分の部屋を持ち、7名の子どもたちが入門してくれました。

42歳、
愛弟子たちに囲まれ、いい人生を歩めていると幸せを感じてくれていたら、西岩部屋一同、嬉しく思います。
第二の相撲人生、いい日ばかりではないですが、地に足をつけて、そして自由に親方の描く西岩部屋をつくっていってください。

みんな素直にしっかり付いてきてくれていますよ。
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