西岩部屋おかみさんブログ

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平成30年5月入門の同期、若小菅と若小山


名古屋も梅雨が明け、夏本番を迎えました。
名古屋場所真っ只中、

5月入門の、若小菅と若小山は、この名古屋場所より番付表に四股名が載り、序ノ口力士として土俵に上がっております。

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ふたりが西岩部屋へ来た日、
「体が細い。大丈夫かな。」
みんながそう心配しました。

4月、
ちゃんこのあと、親方が毎日自宅に呼びました。
寝る前に苦しくなるほど夜食を食べました。
大部屋では兄弟子たちに応援されながら何度も何度も体重計に乗りました。
そういった日々を繰り返し、新弟子検査に向け体重を増やしました。

5月、
新弟子検査です。
規定の67キロぎりぎりで「合格」をいただき、晴れて念願の力士となりました。
迎えた前相撲、
惜しい取組もあったものの白星には繋がりませんでした。
親方は言いました。
「ふたりは相撲が好きで自分からこの世界に飛び込んできた。普段からテレビで相撲をよく見て研究している。今はそれでいい。体が大きくなれば勝てる。」
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6月、
相撲教習所の先生から若小菅、若小山が一生懸命真面目に頑張っていること、実技の授業ではどんどん強くなってきたことをお聞きしました。
胸がジーンと熱くなりました。
普段、"この子達なら大丈夫、とても頑張っているから"と信じていましても、やはりそれは部屋の中のことです。
相撲教習所の先生からそういったお言葉を頂戴し、安心と喜びが溢れ、少し肩の力を抜いてふたりを見守れるようになりました。

7月、
名古屋場所が始まりました。
ふたりとも白星発進です。
本場所の土俵で初めて勝ち名乗りを受けるその姿はとても立派でした。
「成長している」と親方も目を細めておりました。





最後になりましたが、

類を見ないほどの天災が続き、自然の猛威に感情のぶつけどころがございません。
被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
今日も気温が上がっております。
被災者の方々に冷たく綺麗な水を飲ませてあげてほしい。お年寄りや妊婦さん、子どもたちに、クーラーの効いた涼しい部屋で休んでほしい。
懸命に捜索や復旧作業にあたってくださっている方々にそう想いを託しながら、自分が今できる限りの事を前向きに考え、生きていくしかほかございません。


若小菅、若小山へ
この先、体はみるみるうちに大きくなっていくでしょう。
今は今で、力士としてはまだ小さいといわれるその体で、堂々と戦ってください。

どんな相手にも、怖がることなく頭からぶつかっていく若小菅、若小山を見て、自分の生き方と重ねてくれる人が出てきます。
小さいお相撲さんだからこそ、親近感を持っていただけることもあります。

元気をなくしている誰かの心に温かい光と勇気を与える相撲をとれるのは、あなたたちのような力士です。
粛々と、力いっぱい頑張ってください。