2月26日
土俵祭りでした。
先日の土俵築き同様、しっかりと見ておくようにと親方に言われ、私も立ち合わせて頂きました。
西岩部屋には行司さんがいません。
そこでお世話になりますのはやはり一門で一番近い間柄であります田子ノ浦部屋様です。
木村隆男さんが来てくださいました。
隆男さんは一年先輩で、26年間ずっと同じ部屋で過ごしてまいりましたお兄さんのような存在です。
親方も「隆男さんが西岩部屋の最初の土俵を清めてくれる。嬉しいね。」と感慨深げです。
この日の朝、
絹の綺麗な装束を身に纏った隆男さんは、"美しい"の一言でした。
土俵祭りについて調べました。
「江戸時代から行われており、新しく築いた土俵を清め、場所中の安全と興行の成功、さらには国家の安泰、五穀豊穣を祈念するもので、神道に法って行われる儀式」
とありました。
(33代 木村庄之助 著『力士の世界』より)
神聖なる場ではございますが、失礼を承知で親方の許可を得て撮影させていただきました。
「天地開け始まりてより,陰陽に分かれ,清く明らかなるもの,陽にして上にあり,これを勝ちと名付く。
重く濁れるもの,陰にして下にあり,これを負けと名付く。
勝負の道理は,天地自然の理にして,これなすもの人なり。
清く潔きところに清浄の土を盛り,俵をもって形をなすは五穀成就の祭りごとなり。
ひとつの兆しありて形となり,形なりて前後左右を東西南北,これを方という。
その中にて勝負を決する家なれば,今初めて方屋と言い名付くなり」
(33代 木村庄之助 著 『力士の世界』より引用)
凄いです。
神様が来てくれたようでした。
神々しかったです。
これが、『行司さん』なんだ、、、と感動致しました。
先日、呼び出しさんが土俵築きをしてくださって素晴らしい土俵が出来上がりました。
その土俵を行司さんがこうして清めてくださいます。
そして床山さんが髷を結ってくださって、力士たちが土俵に上がるのですね。
相撲に携わる方々はみんな知っている事なのかも知れませんが、ひとつひとつの瞬間に立ち合わせて頂き、行司さん、呼び出しさん、床山さんといった裏方さんにここまで支えられ、守られていることを改めて学び直し、心の底から感謝の気持ちが込み上げてまいりました。
思えば、
呼び出しは田子ノ浦部屋の光昭さん
行司は田子ノ浦部屋の隆男さんでした。
最後は国技館の土俵に
長く丁寧な御礼をし、土俵を去りました。
そして
独立して部屋は分かれましたが、西岩部屋の土俵を光昭さんと隆男さんがつくってくださいました。
運命を感じます。光栄でございます。
清められました西岩部屋大阪宿舎の土俵です。
有り難うございました。