西岩部屋おかみさんブログ

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井筒親方の奥様からいただいたお年玉





皆が大阪へ出発してから、いろいろと家の中のことをしていました。
今までいただいたお祝いの袋などを整理しながら、これだけは捨てられない、ずっととっておこう、とまた茶封筒にしまうお年玉袋。


現井筒親方(元豊ノ島関)の奥様からいただいたお年玉袋です。



言わずもがな、豊ノ島関は、2016年の夏に大怪我を負い、2018年11月の十両復帰まで、約2年半もの間、幕下生活が続きました。
このお年玉をいただいたのは、その最中であります2018年の年明けです。

子育て大変でしょう。子どももゆっくりできるいいお店があるよ、とランチに誘ってくれました。
私が食べている間、娘を抱っこしていてくれたりと、とても助かりました。
女性同士集まれば、夫の愚痴の一つや二つこぼしてもおかしくないのですが、井筒親方の奥様は今までそれが一切ありません。
その日も、取組の時間が近づくとテレビの前に正座をしてドキドキしながらこれ以上怪我をしないようにと祈りながら応援しているという話を聞きました。「関取に復帰してまた豊ノ島の笑顔が見たい。あの人相撲大好きやから。私は物欲もないし今の生活も全然苦じゃない!」と明るく笑います。

その帰り際、「花ちゃんに。」と私の鞄にそっとこのお年玉袋を入れてくれました。
今、切り詰めて大変な状況ということは分かっていましたので、私も慌てて気を遣わないでと受け取れない素振りを見せましたが、「豊ノ島からやから!受け取って。受け取って。」と豪快に笑ってまた鞄に入れてくれました。

帰って、ちゃんと袋を見ますと、奥様の綺麗な字で「豊ノ島」と書かれています。
どんな大変な状況のときも、周りの人をこうして大切にしているんだなと、涙が出る思いでした。



三月場所が終わりました。
若の里引退相撲もちょうど6年前のその日でありましたのでよく覚えていますが、ここから5月28日の引退相撲に向け、夫婦で力を合わせ、準備もラストスパートです。
最後の花道も涙と笑顔で支えてください。