西岩部屋おかみさんブログ

大相撲西岩部屋の備忘録として利用しています。【公式twitter】https://twitter.com/nishiiwabeyaです。

2022/09/25 弟弟子たちにとって初めての千秋楽打上げパーティー・準備編

気づけば、千秋楽からもう二週間が経ってしまいました。

このところ、親方とともに部屋立ち上げの頃のように諸事に追われて目を回しておりましたが、お相撲さんたちのことも、娘のこともようやく一段落いたしました。

撮り溜めた写真を整理しつつ、遅ればせながら秋場所後の様子をお伝えいたします。



入門してすぐに新型コロナウイルス感染拡大の影響で、令和2年3月入門の若田中、若大根原、若箭原、若金子、令和4年3月入門の里田中、若清の6名は、『千秋楽打上げパーティー』というものを一度も経験しておりません。

この世代のお相撲さんたちは、入門したその場所から外出規制を余儀なくされ、朝稽古後も部屋の中だけで過ごし、外出は本場所の行き来のみという力士生活の幕開けでした。


コロナに気をつけつつ、これからは今までの時間を取り戻すように、お相撲さんとしてお相撲さんらしい経験を数多く体験し、そこで自身の在り方を学び、やり甲斐と喜びを感じて欲しいと願っています。
その一つが千秋楽打上げパーティーです。
数日前から、皆んなで集まって過去の西岩部屋の千秋楽打上げパーティーの映像などを観たりして雰囲気を掴み、お客様を迎える心の準備をしてまいりました。


当日の控え室の様子です。
数時間前に控え室に入り、お客様へのお土産を組んでまいります。
グーチョキパーで3班に分かれ、紙袋をセットする班、ワインを入れる班、部屋タオルを入れる班に分かれて作業しました。

手際の良い子、声掛けの上手い子、周りを見て次の補助がさりげなく出来る子。
役割分担が自然と上手に為されています。





受付業務は、呼出しの正男の奥様、御息女様、御子息様の3名が担当してくださいました。
部屋の仲間のご家族にパーティーのお手伝いをしていただくのは、今回が初めてです。
前々から、パーティーが再開しましたらお手伝いに上がりますと奥様よりお声掛けを頂いていて、当日早いお時間から来てくださいました。
親方は協会のお仕事があり、開宴間際の到着でしたので、本当に助かりましたし心強かったです。

自分もかつて経験のある家族としての千秋楽打上げパーティーのお手伝い。20年前の当時の記憶が蘇り、"知らない人がたくさんの中で、緊張してお腹が痛い"、"失敗したらまた若の里に迷惑が掛かる"とそんなことばかり考えていたことを思い出しました。
今回呼出し正男のご家族の皆様にお手伝いいただいて、いろんな角度から物事が見え、当時の自分の不甲斐なさ、先代おかみさんの思い、教えが身にしみて解ります。
このようにしてひとつの部屋が作られていくことに、感慨深く感謝の思いでいっぱいになりました。

西岩部屋にはマネージャーはいません。
部屋を創設し、「まずは出来るところまで力士と家族で力を合わせてやっていこう。」
親方は最初からそう申しておりました。

お相撲さんたちも、親方が不在でも自分たちでよく動き、臨機応変に対応してくれていました。
その場に頼る人がいないと分かっているからこそ、一人一人が腹を括りしっかり切り盛りしてくれました。
しっかりしなくてはいけない時はしっかりするものです。

まずは家族でやっていこうという親方の考えや言葉の意味が解ったような気がします。




いよいよ始まります。