東京の夏の風物詩、
新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、今年は中止となりました。
現存する日本最古の植物市として、250年の歴史を持つ浅草寺のほおずき市。毎年観音様の縁日である「四万六千日」に開かれます。この日にあたります7月9日、10日に参拝しますと、四万六千日分の御利益が受けられると云われています。
遡りますこと昨年の7月10日。
送ってすぐに"お世話をお任せするようでご面倒をお掛けしてしまった"と後悔いたしましたが、奥様は「縁起が良いです。」ととても喜んでくださいました。
(ここからは、許可をいただきました写真を使用させていただきます)
ひと夏楽しんでいただけましたらそれで、と思っていましたが、名古屋場所が終わり力士たちが東京に引き上げてまいりました頃、奥様が大切にお庭に植え替えてくださいました。秋が来て、冬を超え、春になる大阪場所の最中、携帯電話に嬉しい写真が届きました。
昨年お送りしたほおづきが、新しい芽を出したのです。
すくすくと育つ様子をいつも温かい文章とともに送ってくださいました。
文章の最後にはいつも、また西岩部屋の皆さんと名古屋場所でお会いできますのを家族皆んなで楽しみにしています。と添えられています。
7月場所が東京で開催されますことが発表されました。その頃にはほおずきは一つ二つと実をつけていました。
本来であれば、今年の夏、実際にまた生まれ変わったほおずきを見せていただけるはずでした。
「いつもとは違う6月7月を迎えています」という言葉を聞きましたときに、こちらがお世話になるにも関わらず、こうして年中、応援してくださって名古屋場所を心待ちにしてくださっていたということを痛感いたしました。
7月場所に次いで11月場所も東京開催が決まっています。九州でお世話になっている方にも、そして大阪でお世話になっている港住吉神社の皆様にも、思えば年中、贈り物やお手紙、様々なことでよくしていただき、支えていただいています。
一年に一度お会いできる機会を待ってくださっているということが、どれだけ励みとなり支えとなりますか。
今一度そのことを胸に刻み、今は東京の土俵で元気な姿をお見せし、新型コロナウイルスが終息しました際には、番付を上げて、また各地へ出向けますように。
7月場所が始まりました。
ほおずきは真っ赤に実りました。
西岩部屋の皆は、今場所、このほおずきの写真を見て、勇気づけられています。
自身も深く学びました。躾や教育は役目。それよりも毎日丁寧にお世話をし、たくさん愛情を注ぐことにより、こんなにも逞しく立派に生まれ変わらせることができる。
何でも簡単にはうまくいかないということ。
今年、お会いできなかった愛知県の皆様にも、感謝の気持ちを込めて、一同、7月場所を全うしてまいりたいと存じます。
愛知県の皆様もどうぞお体にお気をつけて、お元気にお過ごしください。
疫病退散に願いを込めて。
西岩部屋