西岩部屋おかみさんブログ

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東京の西岩部屋に帰ってきました

12月1日土曜日

無事に九州から帰ってまいりました。
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浅草駅に着いて、スカイツリーと浅草の町並みを見たときに「ああ、帰ってきたー」とほっとした気持ちになったなら、もうあなたたちは浅草っ子になったということでしょう。

またこの、台東区寿4丁目、通称"ことよん"の西岩部屋で、皆んなで頑張っていきましょう。




帰ってきましてからも、毎日何かしら部屋では問題が勃発いたします。
私自身、感情が邪魔をして真っ直ぐにゆっくり丁寧に事を進められないときもあります。これが自分の未熟なところです。
まだ一年目ですが、思っていたよりも大変な世界だと滅入るたびに、世の中の、年頃の男の子を持ったことのある、または子育て真っ最中の親御さんは皆んなこの生活をしているんだなと思いながら、我を奮い立たせる次第です。




若野口が洗面所、お風呂場、お手洗い前の床に水を大量に溢してしまい、一人で拭き掃除をしています。
親方は皆んなを呼び、そういう時は皆んなで拭くようにと話します。

溢した本人が掃除をする。当たり前のことですし物事の筋道はそうです。そこを超えて助け合う心が持てるかどうかということです。
帯の締め方を教えてくれた人は誰ですか?
野菜の切り方を教えてくれた人は誰ですか?
「手伝って」とも言わずに黙々と床を拭く若野口を親方は黙って見ていられませんでした。

皆んなで助け合って拭き始めます。
そして稽古の時間になりました。

若野口は責任を感じてまだ拭いています。もうひとり残ってもらってあとの人はもう時間も時間だということで稽古場に降りることになりました。

力士たちの間でどういう話し合いでそうなったのかは分かりませんが、もうひとり残ったのは、、、
若佐竹でした。
西岩部屋の長男です。

弟たちはお兄ちゃんの背中を見て育ちます。
そして、いつかまた弟が増えた時、今の弟たちが次は若佐竹や若野口のようなお兄ちゃんの立場になり、その行動を引き継いでくれるはずです。




仲間を大切に。
相撲部屋の仲間は兄弟と同じです。
5年、10年、共に過ごし、部屋を離れても、結婚式にはお互いに呼び合い、子供が生まれれば報告し合い、お酒の場では相撲部屋での数々の事件を思い出し昔話に花を咲かせる。
一生の付き合いになるでしょう。

親方も今、育った部屋の先輩や後輩の皆様に、本当に助けられています。
差し入れやお花もそうですし、何より共に頑張り同じ景色を見た時間が心の支えになっています。


生きていく上で、『仲間への思いやり』が持てなくなった時、人は自分の事だけしか考えられなくなります。



『人に優しく』
その余裕を持つことを心掛けてください。
今よりも更にいい顔になってくると思います。
生き方全部が顔に出ます。
いい顔のお相撲さんになってください。