西岩部屋おかみさんブログ

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初場所千秋楽

お陰様で無事に千秋楽を迎えました。

若佐竹と若野口が、大きな怪我もなく15日間を全うできましたことに今場所もほっと一安心でございます。
一週間、ゆっくりと身体を休めてほしいと思います。

2人にとりまして、今場所は田子ノ浦部屋の力士としての最後の場所でした。

若佐竹は6場所、若野口は4場所、田子ノ浦部屋でお世話になりました。
若佐竹に関しましては、高安関の付け人を務めさせていただくという非常に有り難い経験も積ませていただきました。



話は少し脱線致しますが...
最近読んだ『君たちはどう生きるか』という本の中に、「有り難い」という言葉の意味について書かれていました。

"「そうあることがむずかしい」という意味だ。
「めったにあることじゃあない」という意味だ。
自分の受けている仕合せが、めったにあることじゃあないと思えばこそ、われわれは、それに感謝する気持ちになる。"(作品より)


田子ノ浦部屋には、素晴らしい先輩方に加え、行司さん、呼出しさん、床山さんもいらっしゃいます。
毎日間近でそれぞれの裏方さんのお仕事を見て、今まで知らなかったことを知り、とても勉強になったことと思います。

そして、「有り難い」といえば、新年のご挨拶に伺ったときの田子ノ浦親方のご挨拶の中のお言葉です。
「今年、若佐竹、若野口は西岩部屋へ行くけれど、部屋が別れても仲間なんだから、何かあったら支え合おう、出稽古などをしてともに強くなろう」といった内容のご挨拶でした。
元旦の朝、このご挨拶に私はとても感動いたしました。

10代で親御さんの元を離れて角界へ飛び込んだ2人にとって、仲間はとても大切な存在です。
部屋が別れ、これからは対戦も組まれることと思いますが、正々堂々力を出し合い、共にライバル、仲間として、強くなっていってほしいと願います。

また、最後になりましたが、おかみさんは若佐竹、若野口のお誕生日には立派なホールケーキをご用意してくださったり、日々の生活の様子も会うたびに細やかに教えてくださいました。有り難い気持ちでいっぱいです。

あと数日で独立です。
夢が叶うのですから晴れ晴れしい気持ちなのですが、その一方で、もしかしたら一番寂しい気持ちでいるのは西岩かも知れないなと思っています。
手前味噌になってしまいますが、私は西岩が部屋の誰かを悪く言うのを一度も聞いたことがありません。
断髪式の準備の事務作業をしている時に「この部屋でよかった。いい仲間に恵まれた。」と聞き、「いきなりどうしたの?」と笑いましたが、内心「それは何より!」と、とても嬉しく思ったことを思い出します。

15歳で入門して26年間。
長いですね。

親兄弟よりも長く一緒にいた仲間との別れ。
弟子を連れての独立。

初場所千秋楽を迎え、いよいよ新たな出発に向け、準備もラストスパートです。

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