青空のもと、暖かな春風に包まれ、この日、若新が通信制高校の入学式を迎えました。
中学校卒業と同時に入門した若新。
"相撲界に入るなら一日でも早い方が良い。"
"耕司は、色んな意味で、出来たばかりの西岩部屋が向いているのではないか。"
お世話になった相撲道場の千葉先生(元 新花山さん)、親方、親御様、本人の気持ちを確かめ合い、高校には進学せず、大相撲の世界で頑張ることを決めました。
これまで5年間、素直に相撲一筋で頑張ってまいりました。元々勉強が好きな子で、合宿に勉強道具を持って行ったり、歴史本も興味を持って次々読み進めたり、趣味である絵を描くことももっと本格的に勉強してみたいという話をよく聞かせてくれていました。
相撲もまだまだ頑張りながら、いつか高校の資格が欲しい、という意思を持っていた若新。
部屋の仕事も覚え、コロナ禍も落ち着き、15歳だった若新も20歳となりました。この春の入学が一番良いのではないかと親方と相談し、晴れて、この度、入学式を迎えました。
これから、3年間、相撲と勉強の両立の日々が始まります。
親方も私も子どもを高校へ進学させるという経験は初めてで、何もかもが手探りで分からないことだらけで、若新とともに学んでいます。
親方は、お相撲さんたちの消灯時間が過ぎてから、入学の書類に目を通し、学校で使うiPadのパスワードを設定したり、ああでもないこうでもないと最近の進んだシステムに悪戦苦闘しております。
この春は、若新の高校入学に加え、透輝の里の断髪式、里金子の新弟子検査、娘の小学校の入学式と子ども四人の新たな門出に立ち会い、私共も日に日に親として成長させて頂けていますことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
不器用ながらも誠実で心優しい若新。
自分から「高校に行って、勉強したいです。」と、"やりたい事" を伝えてくれた事が一番嬉しかったです。
若い皆んなにいつも伝えている事があります。
今自分は何をするべきか。10代20代のうちにしておかなければならないことは何か。
それは、
自分のやりたい事をする!
自分のやりたい事なら、きっと何があっても最後まで頑張れます。三年間、楽しく頑張りましょう!