西岩部屋おかみさんブログ

大相撲西岩部屋の備忘録として利用しています。【公式twitter】https://twitter.com/nishiiwabeyaです。

大阪へ

2月20日
冷たい雨が上がり、暖かな太陽が昇り始めました。


朝6時半、
今日の班長は若佐竹です。
日の出とともに、元気な足音で階段を上がってまいりました。全ての報告事はその日の班長が自宅階まで直接報告に上がってまいります。

「おはようございます。昨日はごっちゃんでした。もうだいたいの準備はできています。」
朝から元気の良いきちんとした挨拶です。

出発予定時刻は午前7時です。
早々と身支度を済ませ、皆んなで畳を拭いて掃除も終わらせたようです。

出発直前には2階大部屋から、また若佐竹の大きな声が。
1階稽古場に繋がる階段を抜け、稽古場を通り越し、私が立っていました1階玄関にまで響いてまいりました。

「風呂よし!トイレよし!窓よし!ガスよし!
よし!よし!よし!オッケー!」

思わず顔が綻び吹き出してしまいそうになりました。
きちんと指差し点検をしてくれていたのでしょう。大事なことですね。ありがとう。


若佐竹には、親方の判断で、まだ入門間もない行司公輝の指導担当もお願いしています。
日々の様子を見ていますと、若佐竹の指導方法はこのような感じです。
できるところまでは一人で頑張れ!という姿勢で距離を保ち、最初は少し離れたところで見守っています。ですが、公輝が親方や私の前で言葉に詰まったときは、"こう言うんだよ"と言わんばかりに、斜め後ろから近寄り、挨拶の仕方などを一語一句そのままに小声で囁いてくれています。
期待以上の指導をしてくれていて、とても嬉しく思います。



公輝は公輝で、西岩部屋でのお客様扱いの期間が終わり、戸惑う事ばかりの毎日だと思います。試練の時期といっても大袈裟ではありません。
相撲部屋に入門した皆が通る道なのですが、親元を離れ、挨拶や礼儀作法、生活態度も次々何度も指導される日々です。

成長するためには、厳しい指導に喰らいつく向上心を持つことが一番の近道です。
向上心が見えたとき、一番厳しかった人が一番優しい言葉を掛けてくれます。
厳しく指導してくれる人は、あなたを一番よく見て心配してくれている人です。期待している人です。
小さな山を越えたときは、小さな褒め言葉でしょう。
大きな山を越えられたなら、きっと物凄く褒めてくれるでしょう。
努力の成果を褒められる嬉しさをたくさん味わってほしいと思います。
仕事って大変ですよね。頑張ってください!



7時になりました。
さあ!
いよいよ大阪へ出発です。
親方は昨夜、一足早く車で大阪入りし、皆んなが来るのを待っています。

大阪組は、雷門の紙袋を握りしめ、笑顔が溢れます。
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「息子に会えるのを楽しみにしておりました。」

「息子の髷姿を見たら泣いてしまうかも知れません。」

「大阪に来ることを楽しみにしておりました。」

出発のお知らせを致しました際の各お母様からのお声です。
次の日曜日は短い時間ですが親方が自由時間を作りました。場所前に一度、家族に元気な笑顔を見せに帰ってください。