夕方の掃除が終わる頃、
今日は授業がいつもより長かったという新弟子さんたちが、相撲教習所より帰ってまいりました。
この日、帰りがいつもより遅くなること、掃除の時間に間に合わないかも知れないことは、事前に親方も報告を受けていましたし、兄弟子たちも知っています。
「お疲れさんでございます。
ただ今、教習所から戻ってまいりました。」
若清、里田中、一人ずつ手をついて挨拶をします。
同時刻、掃除が終わりましたという報告に上がってまいりました八女の里も玄関にいます。
「掃除の時間に間に合わなくて、
すみませんでした。
掃除、ごっちゃんでした。」
兄弟子たちに挨拶をすることは、大切なことです。
掃除の時間に間に合いませんでしたが、教習所で勉強をしていてのことですし、これは何も悪いことではなく仕方のないこと。
それでも"ありがとう"のお礼だけてなく、"すみません"と一言添えることには大きな意味があります。
自分達が居ないことで掃除の負担をかけてしまって申し訳ない、とても感謝しています。という、気遣いや労いの気持ちを込めた"すみません"は、謝罪の"すみません"ではなく、お礼の"すみません"です。
全てを「Thank you」で一言で纏めることも気持ちの良い挨拶ですが、「すみません」と柔らかくこの言葉を上手に使えるのが日本人の細やかな心遣いです。
この後、八女の里が付いてくれて、大部屋でも皆んなに向かってこの挨拶をしました。
集団生活は常に助け合いです。
感謝の言葉を掛け合い、気持ちよく過ごしましょう!
夕方まで、大変お疲れ様でした。