新年明けましておめでとうございます
東の窓からお天道様の光が入ります。
良いお天気で新年の朝を迎えました。
朝の掃除を終え、着物を纏い、身嗜みを整え、自宅の和室の奥に座る親方のもとへ、一人ずつ新年の挨拶に上がってまいります。
入室し、正座にて、真行草の真のお辞儀を行います。
3月入門の新弟子4名の中には緊張で思わず噛んでしまう子もいましたが、緊張することは良い事。皆、立派な挨拶でした。
きっと兄弟子たちに大部屋で習ったのでしょう。弟弟子の成長は、兄弟子の成長でもあります。
さあ、大部屋へ移動し、令和3年の元旦式が始まりました。
昨年はコロナの影響で出来なくなってしまったことがたくさんありましたが、その中でも頑張ったこと、成長したこと。皆んなしっかりとありました。
辛い日々を一日ずつ乗り越え、人に優しくする強さを手に入れた一年。
一人一人がこの初めての体験の中でたくさんのことを学んだ年だったと思います。
先ずは乾杯です。
奥に見えますのは、八女の里の故郷から届きました福岡県の八女のお酒です。
現在二十歳の八女の里。
今年は新成人の年です。秋、地元から届きました成人式の案内の葉書には欠席に丸をつけ、投函いたしました。
大人への一歩を踏み出しましたお祝いとして、親方から八女産のお酒が注がれました。
立ち上がって乾杯の音頭をとります。
生まれて初めてのお酒です。
感想は「喉がスーッとする感じです」とのことでした。
想い出に残る元旦になりましたね。
作法に則って年少者から順に。
今年は一つの盃を回すことは避け、一人一人お醤油の小皿で。八女の里以外は未成年ですので、お屠蘇はアルコールを飛ばした味醂を使用しています。
祝い箸は、大晦日に家長が家族の名前を書き入れ、箸を入れ、神棚に供えておきます。
今年も親方が皆の四股名を書き入れました。
若箭原 祐太(わかやはら ゆうた)
15歳
16歳
若大根原 瑞規(わかおおねはら みずき)
東京都練馬区出身 O型
17歳
18歳
若藤岡 耕司(わかふじおか こうじ)
18歳
師匠 西岩 忍(にしいわ しのぶ)
44歳
亀の里(かめのさと)
出身地不明
ある夏の日、西岩部屋の1階玄関で保護しました。近くの交番にも相談しましたが飼い主は未だ見つからず。西岩部屋でずっと飼い続けることは難しいですが、今は生き物が大好き若大根原が中心となり、皆んなでお世話しています。
(写真は夏のものです)
それでは、皆んなでいただきます。
大部屋ではお相撲さんたちがすき焼きを作ってくれました。
お肉は、浅草雷門『松喜』のお肉です。ちゃんこ番さんたちの味付けで、美味しいお肉が更に引き立ちました。
お節は大根などの頂き物をふんだんに使わせていただきました。
美味しい蒲鉾も届きました。
お節が華やかになります。
今年は、新潟より立派な杵つき餅が届きましたので、お雑煮も。
お腹をぽかぽかに温めて、今年も一年、無病息災でありますことを祈ります。
娘は只今3歳。今年の2月で4歳になります。
折り紙のコマで遊びながら、お相撲さんたちとのひと時を楽しんでいました。
まだまだ小さな娘。
そして、
まだまだ小さな部屋、
まだまだ若いお相撲さんたち、
まだまだ全てが未熟です。
亀のようにコツコツと、
苦しい時も退がらず一歩ずつ前へ。
世界中の皆んなが大変だった2020年。
自分一人だけではなく、辛いのは皆んな同じ。
お相撲さんたちも、自分はまだ恵まれている方だ、と思うことで、謙虚な気持ちが育まれ、小さな幸せにより感謝できるようになれた年でした。
このような状況でも、気持ちを切らさず一生懸命稽古に打ち込めましたのは、変わらず支えてくださいました皆様のお陰でございます。
昨年は、「頑張ってくださいね」という御言葉を本当にたくさんいただいた一年でした。
誠に有難うございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。