結婚記念日でした。
結婚式を挙げたホテルの天麩羅屋さんにて。
あれから19年が経ち、46歳になった親方が目の前にいます。
目の前の親方はどんな人?
天麩羅をいただきながら頭の中で整理していきます。
青森の普通の少年が、テレビを観て貴乃花関に憧れを抱き、相撲を習い始め、ある日先代師匠にスカウトされ、15歳で上京しました。
とにかく強くなるためとった行動。
それは師匠の言うことを素直によく聞くこと。若かったからそれがすんなり出来たのかも知れないとよく申しております。
お金も、特別なものも何も持たず、身一つで東京へ出てきて、右も左も分からない中、師匠に付いていけば、心が鍛えられ、凄い人生を歩めた、15歳の古川少年の大冒険でした。
自分が師匠となり、今までは深く考えることが出来ず理解できなかった事、理解しようともしなかった事が一つ一つ紐解くように解り、師匠への感謝の思いが込み上げる日々を過ごし、やはり自分が師匠に歩ませて頂いた道こそが幸せへの近道だと信じています。
自分の弟子も同じように、15歳から、一般教養、礼儀作法、常識、生活の全てを教えながら、正しい考えを持った大人に育てる。
時間をかけて、立派な人間を育てたい。
そうすれば必死に稽古をする心も育つ。
色んな意味で強いお相撲さんを育てたい。
ここまで言い切りますと、「振り子の法則」です。真ん中を通り過ぎて真反対にも大きく振り切った反応が返ってまいります。
それは違うのでは?と笑う人も出てまいります。
結果が出ないうちはもう散々です。
しかし「言い切る」というのは、そういう事であることを、親方は19年間、何事においても幾度となく、自分に言い聞かせてまいりました。
私たちは夫婦であり、親方とおかみさんであり、それはピッチャーとキャッチャーのようで。
周りを見ながら、私はここはひとつ、こうしておけば無難かも、、、とサインを出します。
親方は、首を横に振ります。
大丈夫だからと言わんばかりに、直球ど真ん中に豪速球。最初は受け止めるだけで実は一苦労でしたが、19年が経過し、私の手の皮も厚くなりました。
強い信念を持つことで、西岩部屋はこういう考えなんだと知って頂くこととなり、今少しずつ賛同のお声が届くようになりました。
地に足をつけて、まずは10年で何か形になりますよう、真面目に頑張ります。
西岩部屋みたいな部屋ばかりじゃ困るけど、西岩部屋みたいな部屋があってもいいんじゃないか。
そう思って頂けますよう、精進してまいります。