西岩部屋おかみさんブログ

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今年の八女茶

またまたお茶出しの練習です。
先ずは上座の親方のお席に。続いて兄弟子順に湯呑みと茶托に手を添えて、静かに置いていきます。
もう彼此、弟弟子4名も10回以上練習しています。
部屋は失敗を恐れなくても良い練習の場です。
コロナ禍で巣ごもりしています今のうちに、何度も何度も同じことを練習することで、コロナ終息後、また部屋にお客様がたくさんいらっしゃっても、慌てることなく体が自然と動くようになるでしょう。


彼らは若くして社会人です。
何気ない日常で修養を積むこと。
社会人としての教養、作法を毎日の生活の中で身につけていくこと。
それが回り回って、立派なお相撲さん、愛されるお相撲さんになっていくと信じています。
また、相撲を続けられなくなってここを巣立つといたしましても、人様に迷惑をかけず、苦労少なく一般社会に溶け込めますように。



お茶を出すお相撲さん、その左横にお菓子を置くお相撲さん。手分けして動きます。

親方はその様子を別室で想像し、殊更に時間を置きます。
そろそろ準備が整っただろうという頃合いを見て、和室へ向かって歩き出します。

親方が入室と同時に、
お相撲さんたちは親方の方に体を向け、
「おつかれさんでございます!!」
空気が変わります。

一同挨拶を済ませ、親方に「はい皆んな座って。」と着席を促され、「失礼します。」と、ここで初めて皆、畳に腰を下ろします。





さて、切り替えて和やかに。
今年の5月に送っていただきました八女の里の故郷、福岡県八女の新茶を、皆でいただきます。
お菓子もお相撲さんのご実家より頂きましたものです。



食べた後はまたマスクをつけて。
皆んなの顔色の良さを確認しつつ、親方が少しお話しします。

例えば、今日の差し入れについて。
〇〇県では〇〇が有名で、今がその旬。どうぞ皆さんで召し上がってくださいと〇〇さんが送ってくださったものなんだよ、というお話。
そこからクイズ形式にして、各県の名産品を挙手で答えたりします。
お相撲さんたちがそれぞれにどんな分野の知識が豊富なのかがよく分かり、個性が見えて楽しいひと時です。
親方が巡業で各地を訪れ、その地の美味しいものを付け人と食べに行ったりして楽しかった、親方は巡業が大好きだったという話など、少しだけ雑談をして消灯です。

今日も一日無事に終わり、何よりです。