6月29日
梅雨の晴れ間でした。
窓から差す朝日が力士たちの体をキラキラと照らします。外は暑いはずですが、鉄扉と窓を開けていますと、東から、あいの風の如く爽やかなそよ風が入り、心地よく感じます。
普段、とても謙虚で控えめな印象の若大根原。
稽古場では野心溢れる動きを見せます。
擦り剥き、膝から血を流しても気にする素振りも見せず、鋭い眼差しで、三番稽古に励みます。まるで別人のようです。
あとに、その事を親方に話しますと、「そう？別人みたいだった？俺はもう稽古場の大根原が本当の大根原だと思うようになった。性格は相撲に全部出るから。」と。
親方は、毎日稽古を見て、その子の真の性格が分かると言います。
今年の3月入門の若大根原が、入門3年目の兄弟子若松永に挑む姿は、手に汗握るものでした。
まだまだ力の差がありますし、最後は若松永に釣り出されるのですが、親方から習ったことを一つ一つ稽古場で試し、新弟子らしく、あの手この手と兄弟子に立ち向かっていく様は、とても輝いて見えました。
物凄いエネルギーを秘めています。
入門からずっと続けている毎晩の自主トレは、後に必ず実を結びます。
自分を信じて頑張ってください。
若金子
体は日に日に厚みを増しています。
存在感のある子で、稽古場に居てもパッと目立ちます。
これは天性のものだと思います。
生活面においては、親方の言う事をとにかくしっかりと聞いてほしい。守って欲しい。それが私の立場からの願いではあるものの、彼の持ち味を封じ込めてしまうことの無いように。
「自由奔放」と「天真爛漫」の違いを見極めて接する事は難しいですが、伸び伸びとした部分も尊重し、笑顔も守っていけますよう見守り努める次第です。
西岩部屋はこういうところなんだと環境を理解して、頑張ろうとしていることが伝わります。
親方との出会い、部屋との出会いで、また新しい自分をつくっていけますように。周りを見ながらゆっくりゆっくり学んでください。
若大根原とともに、自主トレも積極的に頑張っています。
皆んなも頑張っています。
若鳥海
この春から、急激に表情が良くなりました。
それはいつもニコニコしているということではなく、筋トレなどで一生懸命限界まで自分を追い込むときの表情、親方の話を聴くときの真剣な表情、弟弟子に丁寧に物事を教えているときの表情。
心のゆとりも感じられます。
また、稽古場での若鳥海は、個性が際立ち、さらに輝いています。まだ入門から一年ですが、メキメキと成長し、兄弟子たちをも脅やかす存在に。
どんな事も、このまま自分らしさを大切にして欲しいと思います。
稽古終了です。
またこの上がり座敷に、たくさん座布団を敷き詰めて、皆様に稽古見学していただけます日を、一同願っております。
