西岩部屋おかみさんブログ

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2022/05/08 母の日

投稿が滞ってしまいました。
5月8日は母の日でした。
子育ては毎日大変ですが、自分のことは後回しにしてまでも一日の全体力を使ってヘトヘトになれることは、後になれば、かけがえのない幸せな時間である事を、最近はよく考えます。

私も5歳の子の母親ですが、15や、17、18で相撲界という社会へ送り出す母親の気持ちを考えますと、うちの娘ならあと10年か、、、と、事あるごとに思います。
どんな将来に進むかまだ分かりませんが、あとたった10年程しか一緒に暮らすことはないのかと。
そう思いますと、母親としてそばでお世話をする時間には「限り」があること。
子育てに悩んだり、嘆く時間でさえも、どんな時間も、母は「我が子に経験させてもらっている時間」なんだと有難く思います。



自分で進路を決めて、目標に向かい、実家から巣立ったお相撲さんたち。
こんな素晴らしい旅立ち方は他にないと喜び一辺倒には違いないのですが、離れて暮らすことは寂しいですし、親御様から見れば、何歳になっても息子はいつまでも可愛い子どもです。
西岩部屋に来てくれているお相撲さんたちは、そういった家族の時間を経て今ここにいます事を、親方と共にしっかり受け止め、ここからは力士として育成に精進する次第です。




左から、
若金子(17歳)、若箭原(17歳)、若新(19歳)、八女の里(22歳)


透輝の里(19歳)

若田中(17歳)

左から
若大根原(18歳)、里田中(15歳)、若清(19歳)




今年は近所のお花屋さんから、それぞれがお母様へお花を贈りました。
(若金子は入院中でした。当日、日頃の感謝を伝えましたようです。)
一旦部屋に持ち帰ったパンフレットを見て、自分たちで、このお花にする!と選び、田中家は、兄と弟それぞれから一つずつ違うお花を選んでいました。
動物のマスコットが添えられている可愛いカーネーションのアレンジメントにした子もいれば、まだそんなに貯金も多くない中で豪華なお花を選んだ子もいます。
皆んなお母さんが大好きなんだということが伝わります。
お受けしてくださったお花屋さんも、「なんだか男の子な字で書かれた申し込み用紙の文字を見るだけでジーンときますね」と仰っていました。






5月8日の夜、
「若い衆からです」と、お相撲さんたちから私にも心遣いがあり、綺麗な藤色のポーチをいただきました。保険証や診察券を入れるのにぴったりで、とても重宝しそうです。
何より、外出自粛期間に入る前、即ち2週間以上前に用意してくれていましたことに恐縮とともに感謝の思いです。








最近は、自転車の補助輪を外して乗る練習をしています。お箸や鉛筆の持ち方を何度も注意したり、「パパ、ママ」から「お父さん、お母さん」へと意識的に呼び方も変えました。
それぞれの子育てがあると思います。
「ママー!」と甘えてくれるその響きや声が可愛くて、いつまでも頼られたいし、手を貸すことに母としての満足感がありましたが、もう5歳!
可愛い我が子だからこそ、社会で生きていけるように、自立に向けて手を離していくことが本当の子育てなんだと、お相撲さんたちと親御様の関係を見ていてそう感じます。