転籍により、令和3年4月1日付けで、
呼出し 弘行、正男
行司 木村一馬
床山 床明
以上4名が西岩部屋に加入いたしました。
- 本日は床山の床明(28歳)をご紹介いたします。
- 朝稽古が終わり、土俵を整え、力士たちはそのままお風呂に入ります。その後、順番に髷を結い直してもらいます。
- 「お願いします」と挨拶し、一人ずつ順番に床明の前に腰を下ろします。この日は私も近くで見せていただきました。
- まず最初に心を打たれましたのが、道具の置き方でした。
- 丁度、透輝の里の体の向こう側になりますが、床山さん用にと小さな木机を用意しています。机上には一つ一つ規則正しく丁寧に、何一つが重ならず、道具が並べてられています。櫛や鋏、どの道具も使い込まれているのですが、とても綺麗にお手入れされていて、風合い増してそれはもう芸術品です。
- 入門から10年。修行を積み続け、こういったことを大切にしていますことに真心とプロ意識を感じます。
- つげ櫛を使い分け、丁寧に髷が作られていきます。
- 職人の技です。
鬢付け油のかたまりをぐりっと手に取り、練り、のばします。慣れた手捌きです。程よく馴染んだ鬢付け油を髪につけ、丁寧に何度も櫛を通していきます。長く伸ばされた髪がみるみるうちに漆黒に輝き、艶々な絹の糸束のようになりました。
元結(もとゆい)と称ばれる海藻や米でつくったのりを使って細く巻き固めた和紙の紐で、髪をしっかりと結んでいきます。結び方は独特で、あとで親方に訊きますと、"あの結び方でぐっと髪が締まるんだ"、とのこと。その時、「きゅっ」と和紙の軋む音が聞こえるのだそうです。
手と口を器用に使い、固く結ばれ、結び目のきわを握り鋏でパチンと切ります。このパチンと鳴り響く乾いた音は普通の鋏では出ません。
とても綺麗な音です。
拝見する機会をいただき、改めて素晴らしいお仕事だと感動いたしました。
控えめに、
「まだまだ未熟です、
少しでも腕が良くなるように頑張ります。」とのことでした。
力士を力士らしく、格好良く仕上げてくれる支えの達人、そしてこれから西岩部屋の力士たちの心の支えにもなってくれることでしょう。
床明こと翔太さん
これから、長いお付き合いになります。ご縁に感謝です。
よろしくお願いします。