令和元年9月場所千秋楽打上げパーティー

いろいろなことがあり過ぎて、気骨が折れる場所でした。何一つ整理がつかず、遣る瀬無さから抜け出せないまま千秋楽を迎えてしまいました。

一転、西岩部屋の空気を変えてくださいましたのは、ほかでもない打上げパーティーにお越しくださいましたお客様方です。
全員負け越しましたが、こういう時にでも変わらず足を運んでくださいますこと。それがこれ程までに元気をいただけるものなんだと実感いたしました。


今回も宮城県、新潟県、広島県、、、遠方からもその土地土地の美味しいお菓子を手に提げられてお越しくださいました。お相撲さんたちのために重い荷物を一つ増やしてここまで来てくださったことを思いますと、何とも言えない気持ちになります。

日頃より西岩部屋の皆んながお世話になっておりますすぐ側に住む80歳を超えましたおばあちゃまは、「毎回楽しみです。」と東京場所は全て御参加くださっています。
勝っても負けても「よく頑張っていらっしゃって皆さんすごいわね。」とあたたかい眼差しで労いの御言葉を掛けてくださいます。

東京、大阪、名古屋、九州と全ての千秋楽打上げパーティーに御参加くださる方もいます。
敬服の念に堪えません。


場所前からのことを振り返りますと、朝早くから稽古を見に来てくださる方がいます。
本場所となれば西岩部屋の力士の取組があるかないかを調べて会場まで駆け付けてくださる方もいます。
そして、こうして予定を空けて千秋楽の打上げパーティーにお越しくださいます。
親でも友達でもここまではできません。
事あるごとにここまでしてくださるのは応援者の方だけです。

これからも皆様に支えられて部屋は成長していくんだろうなと思います。

この場をお借りいたしまして心より感謝申し上げます。





さて、
気持ちを切り替えようと、今回はカラオケも行いました。
司会の方が「それではまずは、行司の木村公輝さんによります、、、」とアナウンスされましたところでハプニングです。
公輝がいません。
「僕、探しにいってきましょうか」と若松永が気遣いをしてくれましたその時、
お手洗いから笑顔で走って戻ってくる公輝。
やはり西岩部屋のムードメーカーです。
陽気なリズムが会場左右のスピーカーから流れます。公輝の選曲は坂本九さんの「上を向いて歩こう」です。
浅草ビューホテル28階の会場の大きな窓からは夜空に輝くスカイツリーが聳え立っていて、夜景も美しくムード満点です。
皆様に明るい手拍子をいただきながら、昭和の雰囲気たっぷりで聴かせてくれました。

続きましては、若鳥海。
選曲は中島みゆきさんの「糸」です。
パーティーの前に、「皆んなの中で誰がカラオケが上手ですか」と訊きましたら、皆が揃って「塁です！」と答えました。
なんでも器用な若鳥海。綺麗な高音で歌い上げてくれました。

そして親方。
"目立たぬように はしゃがぬように 似合わぬことは無理をせず"
河島英五さんの「時代おくれ」を歌いました。
西岩部屋は、時代おくれかもしれません。

強くなればなるほど、きっとお相撲さんたちはその意味をわかってくれるはずです。

今場所は厳しい場所でした。
そのお陰で、後援会の方々、応援者の方々、相撲ファンの方々の有り難みが身に沁みました。

頑張るしかございませんので、若龍星を筆頭とし、一同また新たに努めてまいります。

若龍星 和雄 埼玉県深谷市出身（18歳）

痛みを押して途中出場。

三段目に上がって初めての場所でした。

雪駄を履いて、場所入りできてよかったです、という若龍星の言葉にはとても重みがありました。

これから、太く長く真っ直ぐ立派に育って欲しいです。

八女の里 晃 福岡県八女郡広川町出身（19歳）

こつこつと何一つ嫌な顔をせず、親方の言うことをとにかくよく聞きます。この世界はそういう事ができる子が結果的に強くなる。親方のその言葉も誠実に信じています。今は体重を増やすことを頑張っています。次は福岡、ご当所場所です。

若松永 輝透 大阪市平野区出身（16歳）

部屋では、班長を務めました。

まだ16歳ですが、ちゃんこの最終味付けまで一人でできるようにまでなりました。今場所、部屋が大変なことを一番気遣ってくれました。仲間想いで人の気持ちが解るとても優しい子です。今場所、若松永が人間的に一番成長したと思います。

若鳥海 塁 長野県長野市出身（18歳）

親方が何をどうして欲しいかを汲み取る力に長けています。効率良く何でも仕事が早いです。一方、努力家でもあり、先輩の頑張ってる姿を見て、何でも吸収しようという意欲に溢れています。

相撲の所作にも真面目さが表れており、高く上がる四股も若鳥海の魅力です。

若藤岡 耕司 大阪府東大阪市出身（16歳）

場所前、今度こそ勝ち越しをと一人で稽古場にいる姿をよく見かけました。

真っ暗な稽古場にてっぽうを突く音が響きます。

なぜ電気をつけないのかは分かりませんが、そこにいたのは若藤岡でした。

行司 木村 公輝 青森県青森市出身（17歳）

場所中も部屋でよくお手伝いに励んでくれました。

おっちょこちょいなところもありますが、行司部屋では先輩方に手取り足取りご教示いただいております。

誠に有難うございます。

誰かに元気を与えられる力士、行司になれますように。

今場所も有難うございました。