2月24日
若中谷、若松永、若藤岡がはじめて髷を結いました。
一年前、入門してすぐに丸坊主に揃えました。
一年後、同期が一緒に髷を結えますよう、西岩部屋では新弟子はまず丸坊主にいたします。
若佐竹、若野口に続きまして、今回も田子ノ浦部屋の床鳴さんが結ってくださいました。
若の里もずっと床鳴さんに結っていただいてましたので、親方も、自分の弟子がまた床鳴さんに髷を結っていただけますことに大変喜びを感じております。
いつもはあまり自らカメラを持たない親方が、こういった場面では黙ってカメラを持って大部屋へ向かいました。
親方が撮影いたしました写真です。
若松永からです。
長さも足り、しっかりと結うことが出来ました。
だんだん形が出来上がっていくさまに、ただただ感動いたします。
続きまして、若藤岡。
まだ短いので大阪場所で結えるかどうか分からないと最後まで心配されていました。
床鳴さんは、若藤岡の髪を両手で揉みながら、うーんと唸りました。ぐりっと鬢付け油の固まりを手の平に乗せて、練り、髪につけ、丁寧に丁寧に櫛が通されていきます。惚れ惚れといたします流れるような床鳴さんの鮮やかな手捌きで、短いながらもしっかりとした髷が出来上がりました。
最後に若中谷。
細くて柔らかい髪で先に癖があるようです。一人一人の癖を穏やかな口調で教えてくださいます。
緊張をほぐしてくだったことで、若中谷も良い笑顔です。
床山さんのお仕事を間近で拝見させていただき、とても温かい気持ちになりました。
3人の弟子たちが髷を結い終わり、親方が「うん」と頷き笑顔になります。
力士たちも、鏡で自分のはじめての髷姿を見て、なんとも言えない良い笑顔が溢れました。本当に嬉しそうです。
床山さんのお仕事で、本人だけでなく周りの人々皆が笑顔になります。
勝負の前には緊張感や闘志を与えてくださいます。
力士の精神面を大きく支えてくださって、見た目を格好良く力士らしく作り上げてくださる床山さんのお仕事に今日は改めて魅了されました。
そして何よりも裏方さんの素晴らしさとは何かを教えていただきました。
それは、今日の床鳴さんのお心遣いです。
日曜日で稽古もなく、この日は親方から特別に許可をもらい西岩部屋の大阪出身力士三人が実家に数時間帰省いたします。
床鳴さんはその事をご存知でした。
それならば、若松永と若藤岡が髷を結って親御さんの元へ帰れるようにと、「明日あの子たちが家に帰る前に来ましょうか」と、親方にお声掛けくださったそうです。
早朝、尼崎から電車で一時間かけて彼らの髷を結いに来てくださいました。
床山さんは、力士を最も力士らしく輝かせてくださる温かいお仕事であります事を改めて学びました。
心より感謝申し上げます。
床鳴さんをお見送りし、着物に着替え、先ずは親方へ挨拶へ。
そして、無事に髷を結えました事を神様にご報告いたしました。
一年の成長を感じます。
神社の方の勧めで太鼓も叩かせていただきました。
若中谷
若松永
若藤岡
おめでとうございます。
