西岩部屋おかみさんブログ

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元旦式

新年明けましておめでとうございます
西岩部屋、初めてのお正月です。



つくばエクスプレス一本で実家に帰れる茨城県土浦市出身の若小菅も、同じく関東、埼玉県深谷市出身の若野口も、お正月は部屋で皆んなと過ごしました。
稽古もお休みですし、帰省しようと思えば帰省できるのですが、実家が遠くてすぐに帰られない子もいます。
そういう子たちの事も考えて、皆んな揃って部屋でお正月を迎えました。



元旦式が始まりました。
お屠蘇は、親方が前日にアルコールを飛ばして仕込みました。
元旦にお屠蘇を飲むことで、その年の邪気を除き、健康に幸せを迎えられると言い伝えられています。
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親方がお屠蘇の飲み方を説明します。
東の方角を向き、最年長者、西岩部屋では家長の親方が、一人一人に注ぎます。
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VWUL4s6gxL.jpg若小菅
_var_mobile_Media_DCIM_123APPLE_IMG_3122.HEIC若藤岡
AW3OB7QqoO.jpg若松永
2zZtsjgVvW.jpg若中谷
9sSxeRan9E.jpg若野口
_var_mobile_Media_DCIM_123APPLE_IMG_3109.HEIC若佐竹
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感想は、蜂蜜みたいで甘くて美味しいとのことでした。


お節は、お世話になっている方々から西岩部屋に届きましたものをふんだんに使って、大晦日の夜にお重に詰めました。
愛媛県宇和島市の蒲鉾屋さんからは、蒲鉾と厚焼き玉子を。
京都府北区の農家さんからは、すぐき(京都を代表する漬け物)を。
茨城県土浦市の若小菅の恩師からは立派な蓮根を戴きましたので、花型に切り、お出汁でことことと炊きました。
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家長が家族皆んなの名前を箸に書きます。
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今年成人式を迎える二十歳の若佐竹の為に、『白星』という生酒も口開けしました。
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西岩部屋は、二十歳の若佐竹が一番のお兄さんという、まだまだ若い部屋です。

もし高校へ行っていたら、
もし大学へ進んでいたら、
皆んなは今頃どんなお正月を過ごしているでしょう。

テレビやニュース記事を見ていますと、高校・大学ラグビー、サッカー、箱根駅伝
皆、西岩部屋の力士たちと同世代の学生たちが、自分たちの目指してきた夢の中でキラキラと輝いて闘っています。

西岩部屋の力士たちも今が青春時代です。
若い力を存分に発揮して、今年も精一杯闘い、輝いてください。



親方は、普段あまり呑まないお酒を、この日は少し多めに戴きながら、皆んなに戦争の話をしました。
戦後70年以上経ち、戦争を経験した人たちから直に話を聞ける機会も少なくなりました。
平和な暮らしに慣れてしまい、豊かな日本しか知らないのは当然のことですが、皆んなと同じくらいの10代後半から20代前半の男子が、昔は戦争でたくさん命を捧げるように落としていったということ。
神風特攻隊の平均年齢は17歳、人間魚雷回天特攻隊の平均年齢は21歳、皆んなと同じくらいの年齢の子たちだったということ。
...そんな話をしました。

今年で平成が終わります。
新年早々、重い話だったかも知れませんが、戦争があったからこそ今の時代を「平和」と感じる事ができています。
平成最後の年に、平成生まれの皆んなに伝えておきたいという、親方の新年の挨拶だったように思います。

平和な時代、平成に生まれ、今、自分で選んだ好きな世界で、学び、働き、衣食住に困らない生活を送れていることに今一度感謝し、生きてください。
そして、働いて稼いだお金で、こんなに若くして親孝行が出来る喜びを、皆んなに感じて欲しいと願います。



親元を離れているからこそ、親孝行できるのが相撲界です。
今年も、強く、明るく、頑張りましょう。






浅草は雲ひとつない冬晴れでした。
親方が部屋の前に三脚を立て、「もうちょっと右、もうちょっと左...」と声を飛ばし、タイマーをセットし、部屋の看板の前で全員で写真撮影をしました。
澄んだ青空に高く上がった太陽が皆んなの笑顔を照らします。

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本年もよろしくお願い申し上げます。
皆様にとりまして、幸多き一年となりますように。