西岩部屋おかみさんブログ

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大阪出発前日の「朝稽古DVD」鑑賞

3月22日
大相撲春場所10日目
春場所も後半戦となりました。
大阪宿舎としてお世話になっています港住吉神社様の境内では、今頃梅が咲き揃い、周りの桜も蕾を膨らませ、今年も美しい春の景色でしょう。
東京も桜の開花が発表され、暖かい日が続いていましたが、今日は冷たい雨がしとしとと降り、全国的に肌寒い一日のようです。
三寒四温を繰り返し、少しずつ暖かい春が訪れますように、お相撲さんたちにおきましても、一歩下がる日がありましても、そういう日があるからこそ、そこから学び、一歩、二歩と確実に成長しているということに、喜びが堪えません。


遡りますこと大阪出発前日の3月4日
皆でDVDを観ました。





呼出し弘行の尽力の賜物でありますこのDVDを、数日前、親方は最初一人で静かに観ました。
当時を懐かしみ、いろんなことを考えたと思います。


映像の中にいますのは、若かりし日の若の里です。
汗を流し息を切らし、厳しさに喰らいつくかのように稽古をしています。
全盛期の若の里の、『部屋の朝稽古』が収められたDVDです。


若の里がどのような姿勢で相撲と向き合い、朝稽古をしていたのか。
自分の弟子であります皆んなにも観てもらうことにしました。
自宅に皆んなが上がってまいります。






DVDが再生されました。
画面に映し出された時計の針は、早朝5時を回ったところです。
人数が多い部屋でしたので、朝5時から朝稽古が始まリます。



皆んなと同じくらいの番付のお相撲さんたちは、どのような稽古をしていたのか。

親方が皆に当時の様子を伝えます。




画面には、「平成16年 9月 稽古」とのテロップが。
平成16年の9月生まれの若金子が、驚いた表情で観ていました。




関取衆が土俵に入ります。
部屋の関取衆に加え、出稽古に来た当時の関取、未来の関取の姿もあり、豪華な顔ぶれです。

皆、目を丸くして映像に観入っています。






観終わって一息つき、親方が皆に、「どうだ」と感想を求めました。

・迫力がすごいです。
・いつも親方が「本場所を意識して稽古しなさい」と言っている意味がこの映像を観て分かりました。
本場所の取組の動画より、自分はこっちの稽古の動画のほうが、刺激を受けました。

いつもは、何か感想を求めましても、「んー、、、」と詰まってしまう子も、相撲のこととなりますと胸が熱くなったのでしょう。
全員、とてもしっかりとした口調ですらすらと話してくれました。


一人一人の胸に、響くものがあったことは、間違いありません。



「自分がやってきたことを、皆んなに教えていきたい。相撲の素晴らしさをこれからもっともっと知って欲しい。」
親方からも皆に、思いを伝えました。


いつか、皆んなも歳をとり、ふと昔を振り返るときが来ます。
後半戦も一日一番、今を全力で!