西岩部屋おかみさんブログ

大相撲西岩部屋の備忘録として利用しています。【公式twitter】https://twitter.com/nishiiwabeyaです。

2021/12/14 透輝の里が19歳になりました




12月14日
透輝の里が19歳の誕生日を迎えました。


「大阪の平野の中学のラグビー部に体の大きな子がいる。」
お話をいただき、親方が駆けつけて口説き落とした透輝の里。15歳で上京し、西岩部屋のお相撲さんとなりました。
一度も相撲をしたことがなく、もちろん目の前にいる親方が誰かも知りません。未経験である透輝の里に、親方は、"真っ白なキャンパスに絵を描くような気持ちだ"、と大層な喜びを表していました。

稽古は、合宿などに出かけた際など環境が変わりますと、いつもとは別のスイッチが入り、とてつもない集中力を発揮したりと、不意打ちの躍進に目が離せない面白い子です。
きつい稽古でも、無邪気に笑顔で苦しい声を出し、キラキラと汗を飛ばす姿は、「今をちゃんと生きている。」その一言に尽きます。

15歳は15歳らしく、
16歳は16歳らしく、
いろんなことがあり、いろんな顔を見せ、泣いたり笑ったりしながら、どんどん成長した子です。

何より素晴らしいのは立ち直り方です。
人間ですから間違うこともあります。それは他のお相撲さんたちも皆んな一緒なのですが、透輝の里は、ここは自分が間違っていたんだなと気づいたその瞬間にきっちり軌道修正できる正しい心を持っています。
親方に対しましても、良く思われようと自分を取り繕うことなく、いつもとにかく「正直」です。
怒られないようにするために嘘をついたり、物事をずるく考えたり、そういうところが一切ありません。

いい子ぶらないところがいい子。
格好をつけないところが格好いい。
それが透輝の里の魅力です。



今年の誕生日プレゼントは、稽古まわしです。
九州場所の際に、古くなってきていることに親方が気付き、すぐに、今年は「まわし」と決まりました。

何事も自分らしく。
弟弟子たちから慕われている自分に誇りを持ってください。そしてこれからも、豪快に笑って部屋を明るく照らす太陽のような存在でいてください。






誕生日当日、
西岩部屋のポストに、薄いピンクの封筒にお母様の丁寧な字で、「松永輝透様」。
ご家族からのお手紙が届きました。

19歳、家族の応援がまた力に変わります。