大相撲7月場所6日目の夜、ふと稽古場を覗きますと、そこには新弟子4名、若大根原、若金子、若田中、若箭原の姿がありました。
兄弟子はもう上がって、今は自分たちだけですと若大根原が教えてくれました。
たっぷり汗をかいています。今日は力強い一番で相手を押し出し、驚かせてくれました。
「強くなりたい。」その気持ちが、稽古だけでなく掃除など毎日の行動からも見て取れるようになりました。
一つ一つの基礎トレーニングに、じっくりと時間をかけています。呼吸の仕方もとても丁寧です。
17歳とは思えない集中力で、自分のペースを守り、自分を知ったトレーニングをしていました。
一生懸命頑張っていました。携帯電話はなくとも、観たいテレビ番組もあるでしょう。それでもこの時間に土俵におりることを選びました。自分自身で、今成長しようという強い気持ちがあるのだと思います。
若田中
痛めている箇所の湿布を剥がし、土俵で汗を流します。
少し痛いから今日はトレーニングしない、ではなく、少し痛いならそこを鍛えるんだ。親方の話をしっかりと理解しています。
以上4名は今年の3月入門です。
入門後、徐々に新型コロナウイルスの感染拡大が進み、力士としての生活が始まって、程なくして様々な変更を余儀なくされました。安全が第一です。一日の全てを部屋の中で過ごす生活が始まりました。
4名いましたことが大きな救いです。良い話し相手であり、不安を分かち合える仲間です。
その4名が揃って稽古場におりていることに感動いたしました。この状況下、きちんと前だけを向いている新弟子たちの清い心に胸を打たれました。コロナが拡大しようが雨ばかり続こうが、ニュースで暗い話題が続きましても、決して夢は腐らないということを教えられました。
午後21時前、翌日のちゃんこの支度を終えた若藤岡も、自主トレに加わりました。
やっと開催されました大切な場所です。
悔いの残らぬよう、これまでの外出自粛生活の稽古の成果を出しきってください。
