各地の災害、新型コロナウイルスの新規感染者数の増加、直面されている方々のことを想いますと胸が痛みます。
力士たち、また離れて暮らす親御様も、これからどうなるんだろうと、大丈夫だろうかと心配が募る日々と存じます。
少し八女の里と話しましたが、地元九州の豪雨をとても心配しています。
八女の里のお母様もまた、メールでのやり取りの際に、東京でまた新型コロナウイルスの感染者が増えてまいりましたことに、心配する頻度が増えましたとの言葉がございました。
お互いにとても心配な状況の中、八女の里は私にこう告げてくれました。
「自分も場所を頑張って、親を安心させることができるように頑張ります。」
自分は力士なんだ。
力士の本分を八女の里は、解っています。
明日は休養日。
休養日前の夜、皆んなに少し時間をいただきました。
西岩部屋から歩いてすぐのところに、お煎餅と豆菓子の老舗店があります。
昔ながらの佇まいで、量り売りの豆は店の奥で毎日丁寧に炒られているそうです。お煎餅は一枚から販売してくださいます。
久しぶりに親方と足を止め、この日は1枚100円の上草加煎餅を人数分いただくことにしました。
勿論、添加物も使用されていません。
丸く大きなお煎餅の表面には、お醤油の濃い部分、薄い部分、香ばしく膨らんだ部分、いろんな箇所があり、余計なものが入っていない分、その味の違いが分かります。
パリ、パリ、パリッ、、、9名が一斉に食べ始めたものですから、親方も思わず笑ってしまうほどに大きな音が鳴り響きました。
皆んなに訊きますと、甘いものばかりではなくお煎餅も好んで自分で買って食べることもあるようです。
浅草には老舗店がたくさんあります。どうして長く愛されるのか。それは基本を大切に思い、丁寧に作業をしているから。楽な方向に走らないから。
親方は、相撲でもなんでもそれは同じなんだと皆に語りかけます。
最後に、本当のお煎餅はこういう味なんだ、それをまず知ることが大事なんだよ、と皆に言いました。
ゆっくり休んで、また頑張りましょう。
