父の日でした。
部屋から一歩も出ていない力士たち。今年はどうしますでしょうか。
お昼、力士たちの大部屋へ行く用事がありました。その際、親方が居ないところで若龍星が相談に来てくれました。
「おかみさん、新しく作ってくださった今年の部屋の浴衣を、今日おろしてもよろしいでしょうか」
どこに出掛けるの？と一瞬驚きましたが、こういうことだったのですね。
"作った浴衣"と言わないで、"作ってくださった"という言葉を使うところ。
親方を驚かせたい気持ちがある中で、きちんと事前に確認をして許可を取ろうと考えてくれたところ。
若龍星の気遣い、心遣いには、いつも感心いたします。
全員で真新しい揃えの浴衣を着て、自宅階に挨拶に来てくれました。
先に力士たちを和室に通しました。
「親方、呼んでくるから待っていてくださいね」
力士たちは直立不動で、耳を澄ませて親方の足音を待ちます。
親方の入室と同時に
「お疲れさんでございます」
「お疲れさんでございます」
「お疲れさんでございます」...
親方は「おっ！びっくりした」と皆の浴衣に目をやります。
夏場所がなかったからね、いいね、と親方もとても喜んでいました。
この様子は『親方コラム』でも親方自身が書き記しています。
西岩部屋の今夏の浴衣は、"元気に育ってほしい"という願いを込めまして、『麻の葉柄』です。色はうぐいす色を選びました。
お世話になっている皆様のもとにも、早くお届けできますよう、只今準備しております。
師匠と弟子の関係は永遠です。
自分で選んだ運命を信じて、益々成長してください。
男同士で照れもあると思いますが、、、
広い心で角界へ送り出してくれた実家のお父様へも感謝の気持ちを伝えましょう。
「ありがとう」を穏やかに言葉にできることがまた一つの成長です。
優しいお相撲さんに育ってください。
