西岩部屋おかみさんブログ

大相撲西岩部屋の備忘録として利用しています。【公式twitter】https://twitter.com/nishiiwabeyaです。

早く春が来ますように

あえて触れますが、連日、テレビのワイドショーや週刊誌は日本相撲協会の話題が続いております。

若の里の断髪式の際は、相撲ブームがじわじわと沸き始めた頃で、その恩恵に与り「断髪式って誰でも行けますか?」「若の里だけでなく幕内のお相撲さんたちにも会えますか?」と多くの皆様が興味を持ってくださいまして、たくさんのお客様にお越しいただきました。
遥々両国国技館まで足を運んでくださいました皆様、本当にありがとうございました。

あれから2年が経過し、今、西岩部屋落成祝賀会の準備を進めております。
ご出席の諾否には関係なく「大変だけど頑張ってください」という温かいお声に日々励まされております。
ですが、中には欠席の意思表示とともにあからさまに冷ややかなご意見を頂くこともございます。
それが世間様の生のご反応です。

テレビのワイドショーは最初のうちは全く観ておりませんでした。
それは西岩親方が「今は九州場所中。ワイドショーの時間はBSでは幕下の取組。皆んな物凄く頑張ってる。土俵外のゴタゴタよりも土俵内の真剣勝負を観てる方いい。」と言うからです。

それでもやはり世間様の目とズレた考えになってしまうのではないかという不安から、一人の時は、たまにチャンネルを切り替え、情報番組やワイドショーも観ていました。

ある芸人さんが、情報番組の中のトークで「もう公益財団法人を外して指定暴力団日本相撲協会にすればいい」と言いました。
大きな笑いが起こっていました。
『激しい表現で盛り上げる』という演出だとしても、さすがに観ていて凍りつき、落ち込みました。
その後もスタジオでは「こんな所に今から子どもを預ける親、いないでしょう」という内容が繰り広げられていました。

"みんながみんなそうではない"
何も悪いことをしていないのだから堂々と新しい部屋の準備もスカウト活動も頑張ろう!この騒動を頑張る肥やしにしよう!と、自分たちはそう思えます。

気になることはただ一つ。
今、西岩部屋に大事な御子息様を預けてくださっている若佐竹と若野口の親御様。
そしてこれから西岩部屋に御子息様を預けようと手続きをしてくださっている親御様。
どれほど心配なお気持ちでいらっしゃることでしょう。

つい先日、入門の件で数名の新弟子候補の親御様たちとお電話でお話ししました。
「ところで本当に大丈夫なんですか?」と不安を口にされる親御様は一人としていらっしゃいませんでした。

それどころか「息子をよろしくお願い致します」と何度もお電話越しに言ってくださいました。
胸が張り裂けそうになります。

『もうすぐ相撲部屋に行く息子とのお別れが寂しくて毎日泣いてしまっています』というお母様もいらっしゃいました。
それでも『せっかくスカウトしていただいたのですから、これからの息子の人生を応援したい』と言って送り出してくださるのです。

その大きなご決断を重く受け止め、責任をもって、親方と真面目に頑張ろうと改めて思いました。

世間様の厳しい目がある中での46番目の新しい相撲部屋の誕生です。
ピンチはチャンス。
注目が集まれば幸いに存じます。

来週はいよいよ大阪に入ります。
寒い寒い冬を越せば、次は暖かい春です。

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