若金子が入院の準備を整え、親方の車のところまで降りてまいりました。
「おはようございます。
体調はどうですか?」
「はい、大丈夫です。」
朝稽古中のお相撲さんたちが、一時稽古を中断し、出てきてくれました。
皆んなで事前に用意していました寄せ書きの色紙を、代表して八女の里が手渡します。
「頑張って。」
「ごっちゃんです。」
皆んな、恥ずかしいかも知れませんので、寄せ書きの文章はぼかしましたが、一部ご紹介いたします。
親方は、
後退ではなく前進、復活を待っているということを。
若大根原は、
自分が手術したときの体験談、そして、大丈夫だということ、手術した者同士また一緒に頑張ろうと。
他の皆んなも、
次の場所休みには一緒にご飯食べに行こう。
焦らずゆっくり治してまた稽古やトレーニングを一緒に頑張ろう。
など、励ましの言葉が並べられました。
いよいよ出発です。
親方も現役時代に、前十字靭帯断裂という同じ怪我をしました。
その時の気持ち、それからの気持ち、全ては自分の気持ち次第であることを、親方は何度も若金子に話していました。
入院の数日前、親方の話を真剣に聞く若金子。
とても良い顔をしています。
そう思えます。
皆に見送られながら、車に乗り込み、病院へと向かいました。
無事に手術を終え、今はリハビリに励んでいます。
コロナ禍ですので、なかなか本人には会えませんが、病棟の看護師さんが、
「光内さん、リハビリとても頑張ってますよ。」
と教えてくださいました。
やる子は何があってもどこにいてもやる。
大変嬉しく思いました。
復活まで、部屋全員で支えていきます。