西岩部屋おかみさんブログ

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育み

少し前のことになりますが、
7月15日(木)の夜
名古屋宿舎にいる親方から、携帯に一枚の写真が届きました。





何も言っていないのに今日は全員自主トレしてる、という親方の喜びが伝わってきます。




なぜ自主的に一人一人全員が土俵に足が向いたのか。
それは聞いていないので分かりません。

それぞれ理由があるのでしょう。
最後の一番どうしても勝ちたいという思い。
これだけコロナがまだ収束しない中、宿舎と土俵をお借りしているのだから、めいいっぱい使い切ることが恩返しなんだという思い。
はたまた、皆んなが行くなら自分も、、、という思い。

理由はなんでも良いのです。




そしてこの日、八女の里からこんな報告がありました。
「今日、相撲で負けたあと、自分の無意識で首を傾げてしまいました。すみませんでした。」
あとで親方にききますと、親方にもそう言ってきたそうです。
私は相撲のことは分かりませんが、その言葉に、八女の里の心の成長を感じました。
ルールなき場面で力士としてどう振る舞うか。
「そこに日本の大相撲の魅力が詰まっている。」
常日頃、親方が指導していますことを、自分の取組の中で体感し、若い今、気づき、心得る。
難しい事ですが、八女の里がまた一つ、お相撲さんらしいお相撲さんに近づいた瞬間でした。



結果的に負け越した力士が多かった場所ですが、皆んなよく頑張りました。
今はたくさん負けても仕方ないです。
『まだ、』 負けているだけ。
この『まだ、』が、根を生やし、強く伸び、『ついに勝った。』に変わりますよ。
心技体の土台をしっかり組んで、このまま焦らずに。