新番付も発表されましたので、時間を戻し、この写真を投稿させていただきます。
令和3年3月31日
西岩部屋では、一足早く、この日に三段目昇進確定のお祝いをいたしました。
暦上、
『一粒万倍日』
一粒のモミが何倍にもなる最強開運日
『天赦日』
天が全てを赦す日、何をやってもうまくいく日
『寅の日』
千里を行って千里を帰る
いくら出ていってもお金が戻ってくる金運最強日
この3つが重なる3月31日は、令和3年で最も縁起の良い日と云われています。
(今年は3月31日と6月15日の2回のみだそうです)
お祝いに相応しい。親方が若松永と皆を和室に集めました。
三段目になりますと、雪駄を履くことができます。
序二段から三段目に上がる際、お相撲さんたちにとりましてここが大きな違いといえるでしょう。
桜が満開の時期でした。
ささやかながら私からは「印伝」の小銭入れを。
ここから、また一歩一歩相撲道を踏みしめてください。
15歳で入門しました。
まだたった3年ですが、この子を何度本気で叱ったでしょうか。「これはしてはいけないこと」それが分からず何度も失敗し、失敗を理解し、「すみませんでした」と後悔する涙を見てまいりました。
普段は明るい性格です。皆んなの笑顔が少ない時には、すぐに察して率先して明るく盛り上げてくれます。そういうところに皆んないつも助けられているのですが、それを感じさせない自然な振る舞いに天性の思いやりを感じます。
時に、落ち込んでいる仲間には「ここを乗り越えてちゃんと頑張ってほしい。」と力強く思いやる言葉を掛けていました。何度も誰かの心を救い周りは何度も感動させられました。
世話の焼ける子なのですが、その何倍も部屋の皆んなを熱くさせてくれてる子です。
世話の焼ける子なのですが、その何倍も部屋の皆んなを熱くさせてくれてる子です。
以前、西岩部屋のミーティングの時間に「相撲に勝つためには何が必要か」「夢を叶えるにはどうすればよいか」一人ずつ思い思いに、そのためには今何をするべきかを書き込み、一枚のシートを作成しました。
メジャーの大谷翔平選手も学生時代に作成したという『目標達成シート』です。
皆は、「下半身強化」や「筋トレ強化」、「体重を増やす」など相撲のこと、体のことを中心に書いていました。
若松永だけは、皆と全く違った視点でした。
「親方の言う事を何でもしっかり聞く」
「一生懸命真面目に頑張る」
「素直になる」
「人として成長する」
などの言葉が並んでいます。
これは常日頃、親方が皆んなに、"こういう子は強くなるんだよ" と会話の中で伝えている言葉です。
それを全て覚えていました。
もしかすると見えている景色が違うのかもしれません。
「松永はほぼ気持ちで相撲をとっている」
親方はしみじみそう言います。
三段目挑戦の場所では、負け越しの悔しさを味わい、幾度と自分の相撲にもがき苦しみました。
気持ちが後ろ向きになっているような顔つきをしている日も、夜は、自分が決めた事だからと言わんばかりに黙々と自主トレを続けていました。
あの時、ちゃんと悔しいと思えたから今の自分があるのですよ。
人間味があって、一生懸命生きている面白い子です。
この先、自分の名前の漢字が入ったこの四股名を皆さまに広く知っていただけますよう、自分の力で大きくしてください。
いつもとても心配し、お仕事がありながらも取組を観逃さず、もう心配で心配でたまらないのに、「全て本人に任せていますので」と信じて応援してくれている大阪のお母様に親孝行してください。
「相撲は誰でもができることではない。きずくは特別な事をしているんだよ。」と可能性の素晴らしさを教えてくれるお父様に親孝行してください。
これからもきっと世話の焼ける子だと思います。
それも含め、あなたがいるからこの部屋は面白い!明るい!
笑い声が響くのです。
いつもありがとう。
5月場所も自分らしく頑張ってください。